総務省が掲げる2020年までの5G構想の中身を徹底解剖【ー5G実現にむけた取り組みと状況ー】

前回の総務省が掲げる2020年までの5G構想の中身の続きになります。前回の記事を読まれていない方はこちらからご覧ください。

5G実現にむけた取り組みとは

5Gの実現にむけて商務省は、下記の3つの取り組みを重点的に推進しているようです。

  1. 研究開発・総合実証試験の推進
  2. 国際連携・協調の強化
  3. 5G周波数の具体化と技術的条件の策定

となっております。1に関しては当然、新技術を実現可能にするためですので研究開発そして、実証試験が必要になってくるはずです。

一方で国際連携や協調という点では、気になる最近のニュースといえば中国側での5G推進が抜け駆けするような形で米国からたたかれていたことを思い出します。それだけ世界各国慎重に開発をすすめている事業だということがうかがえます。

国名 団体名
中国 FuTURE FORUM IMT-2020 PG
韓国 5G FORUM
インドネシア I5GF(Indonessia 5G Forum)
マレーシア MTSFB
トルコ 5GTR
EU 5G IA(Infrastructure Association)
ブラジル Telebrasil -Project’5G BRASIL’-
米国 5G Americas

国際協調が必要な理由としては、一番に世界で利用される周波数の割当を決定しなくてはいけないというも一つあります。

三つめは周波数を具体的に割り当てるためにも、早期に周波数の具体化と技術的条件を策定をすすめなくてはなりません。

5G実現にむけた各国の取り組み状況

日本における取組や状況を説明するまえに、まず世界各国の取り組みについてご紹介していきます。

米国(アメリカ)における5G実現への取り組みとは現状

2018年の資料をもとにこの記事を今(2019年7月)、執筆しておりますがすでに米国ではイリノイ州シカゴとミネソタ州ミネアポリスの一部地域でスマートフォン向け5Gのサービスを開始しています。

2018年にクアルコム者の5G対応のモデムチップが5Gの周波数であるミリ波通信で4.5Gを達成しています。またAT&Tは利用者参加型の5Gテストラボをオープンしています。

欧州(ヨーロッパ)における5G実現への取り組みと現状

ヨーロッパでは2015年から5G推進機関の「5GPPP(Public Private Partnership)」を設置し、実現にむけての取り組みを推進しています。

140の実証プロジェクトを掲げ、20の5G実証都市、さらには10の国境をまたぐコネクテッド実証を実施しております。

ベライゾン・エリクソンの2社はすでにコネクテッドカーに対して数ギガバイトの通信を確立するための実証をおこなっており、さらには時速100Km以上走行する車に対して6Gbpsを実現しています。

中国における5G実現への取り組みと現状

中国においては、政府組織直属である中国情報通信研究員が主導する5G推進団体IMT-2020 Promotion Groupがあります。2018年からは製品試験を実施している予定です。

一方で中国だけでなく世界でもトップレベルの技術力をもつファーウェイの5Gからの締め出しの動きがおこり、アメリカからの製品を調達できない状況となっていますが、中国は2019年6月6日に5Gの営業ライセンスを国内の通信事業者4社に発行し商用化の計画を前倒しで進める見通しです。

韓国における5G実現への取り組みと現状

韓国では世界初の5Gオリンピックと称して2018年2月に行われた平昌五輪にて様々な5G実証を実施しております。

2019年4月3日に5Gの商用サービスを一部地域にて開始しております。ちなみに5GユーザーはSammsung Electronicsの「Galaxy S10 5G」もしくは韓国LG Electronics(LGエレクトロニクス)「V50 ThinQ」を利用しているようです。

5G周波数帯の割当について

5Gが利用できる周波数はすでに国際的に日本には割り振られており、上記図のように1~10の割当が想定されています。また斜線部分については、今回の5Gにおいては自営用等で利用することが可能なエリアが残されています。

  • 3.7GHz帯(衛星通信と共用)
  • 4.5GHz帯(防衛省の公共業務用通信と共用)
  • 28GHz帯(衛星通信と共用)

以上の3つの周波数帯の細かい部分での割り振りとなっており、申請者(キャリア)に対して点数の高い順に希望する枠の割当となるようです。

まとめ

リマインドですが、この説明している総務省の資料は2018年に発表されたものをベースにしているため、すでに更新されている情報があります。あくまでもどのような形で取り組まれてきているのかの参考にしていただければと思います。

また今回ご紹介した各国の取り組みですが、資料発表時にあった取り組みであり今では5Gの実証は日本でもまもなく実施されます。ソフトバンクの一般向け実証サービスが7月26日~29日にされる予定です

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