SDGsとは?日本の目標達成に5Gが重要な理由を解説

最近企業やテレビCMの効果によって「SDGs」という言葉が認知されて来ています。しかしSDGsが具体的になにを指す言葉なのかよくわかっていない言う方もいるのではないでしょうか。SDGsは「持続可能な開発目標」という意味ですが、実はきちんと説明できる方は多くありません。本記事ではSDGsの基礎知識と5Gの関係性について解説していきます。

そもそもSDGsとは

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、日本語では「持続可能な開発目標」の略称です。2016年~2030年の15年間の間に、達成すべき目標として国連加盟国193カ国がSDGsに参加しています。

 

持続可能な開発目標というと、分かりにくいと感じる方も多いでしょう。SDGsは貧困や環境汚染・ジェンダー平等など世界で問題となっている17の課題を、将来の世代のために解決しようという国際目標をさしています。そのためSDGsは、先進国・発展途上国を問わず全ての国が関わっているのです。

 

またSDGsに参加しているのは政府だけではありません。その国の企業もSDGsに参加することができます。企業がSDGsの問題に取り組めば、世界課題への対応や企業ブランディングの強化などメリットが豊富です。

 

17のジャンルに分かれている

SDGsには2030年の目標である17の目標に合わせ、目標を達成するための169のターゲットが決められています。また、SDGsは大きく分けて「社会・経済・環境・枠組み」の4つのグループに分類されています。こちらでは17の目標について簡単にまとめました。

 

SDGs 17の目標
1 社会 貧困をなくそう
2 飢餓をゼロに
3 すべての人に健康と福祉を
4 質の高い教育をみんなに
5 ジェンダー平等を実現しよう
6 安全な水とトイレを世界中に
7 経済 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
8 働きがいも経済成長も
9 産業と技術革新の基盤をつくろう
10 人や国の不平等をなくそう
11 住み続けられるまちづくりを
12 つくる責任 つかう責任
13 環境 気候変動に具体的な対策を
14 海の豊かさを守ろう
15 陸の豊かさも守ろう
16 枠組み 平和と公正をすべての人に
17 パートナーシップで目標を達成しよう

 

すべての目標を見てみると、働きがいといった身近な目標から、平和や気候変動といったスケールの大きな目標も登場しています。SDGsが先進国や発展途上国など多くの国でとりくまれているのは、17の目標の中から、自国が優先的に取り組むべき目標が明確に用意されているからでしょう。

日本でのSDGsの取り組み

世界の国々が一丸となって取り組むSDGsは、国によってすでに達成している目標がいくつかあります。そのため日本では、優先的に解決したい目標を定め「SDGs実施指針(改訂版)」として発表しました。

なお詳細について知りたい方は、政府が出しているSDGs 実施指針改定版を合わせてチェックしてみてください。

 

SDGs実施指針(改訂版)
1 あらゆる人々が活躍する社会・ジェンダー平等の実現
2 健康・長寿の達成
3 成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
4 持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備
5 省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会
6 生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
7 平和と安全・安心社会の実現
8 SDGs実施推進の体制と手段

 

SDGsアクションプランとは

また「SDGs実施指針」を達成するために具体的に何をするかを取りまとめたものを「SDGsアクションプラン」といいます。アクションプランは半年に1度更新されていますが、以下で説明する3つの方向性を基本に構成されました。

 

SDGsアクションプラン
経済・企業 ビジネスとイノベーション ~SDGsと連動する「Society5.0」の推進~
地方創生 SDGsを原動力とした地方創生、強靭かつ環境にやさしい魅力的なまちづくり
SDGsの担い手としての次世代・女性のエンパワーメント

①経済・企業のSDGs「Society 5.0」とは

Society5.0とは、AIやIoT機器を活用することで経済発展と問題解決を行う新しい社会をさします。このSociety 5.0を推進するために、すすめられているのがドローンや遠隔医療の研究です。暮らしとITを融合させた人が中心の社会を目指しています。

Society5.0とは?5Gは日本が目指す次の社会にどのように関わってくるのか?

②地方創生、強靭かつ環境にやさしい魅力的なまちづくりとは

日本は世界と比べても自然災害が多く、地震や台風の被害に悩まされてきました。そこで災害に強く環境にやさしい街づくりが重要視されているのです。また急速に進行する人口減少や、人口の都市部への人口流出も問題になっています。そのめ、地域の人々が暮らしやすい社会として、民間企業と官民体制の柔軟な体制作りが求められています。

過疎化地域などの少子高齢化からみる社会課題に対する5Gが生み出す可能性とは?

③次世代・女性のエンパワーメントとは

男女格差を示したジェンダー・ギャップ指数では、日本は153カ国中121位と低く、日本のジェンダーに対する取り組みは急務です。とくに男女格差が指摘されたのが政治・経済の分野です。そこで政府は雇用条件や待遇の見直しを求め、女性の管理職起用を増やしています。男女ともに働きやすい社会が生まれれば、今よりも生産性が向上するでしょう。

 

SDGsと5Gの関係

日本が設定したSDGs実施指針を達成するため、注目されているのが次世代通信規格「5G」です。5Gはこれまでの4Gと比較し「100倍の超高速通信・100倍の同時接続台数・1/10の超低速通信」というこれまでにない通信規格となっています。5Gが普及すれば、工場や医療などさまざまな分野でIoT機器が登場し、SDGs達成に近づくでしょう。

結局5Gって何がすごいの?速さが変わるだけだと思っていませんか?

5Gが活用されるSDGsはどれ

5Gを使うことで技術革新が起こり、SDGsの達成に近づくと見込まれています。SDGsのなかで最も5Gと関連が高いのが「9.成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション」です。5Gを使ったIoTの研究が進めば、自動運転や遠隔医療が可能になりますから、さまざまな業界でイノベーションが起きるでしょう。

 

5Gによって遠隔医療が普及すればSDGsの目標のひとつである「3.すべての人に健康と福祉を」の解決に近づくこともできます。自宅にいながら診察を受けたり、地方の病院で海外の最先端医療を受けることも可能になりるでしょう。

5Gエリア展開計画、4Gとの置き換えで一気にカバーも可能?

 

こうしてみると5Gは、複数のSDGsを解決するヒントといえます。また5GをきっかけとしたIoTやAIなどの新しいビジネスチャンスが、身近に存在しているかもしれません。

5Gが何を変える?医療からゲーム、最新Ai産業までが変わる21の業界とは【後半11業界】

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まとめ

SDGsの達成は決して他人事ではありません。個人・企業・政府が一体となって取り組むことで、自分や次世代が暮らしやすい毎日を作ることにつながっていくでしょう。そのためにも5Gは強力な味方です。5Gを使ったイノベーションによって複数のSDGsが進む可能性があります。これからも5Gの普及やIoTの新情報に注目したいところです。