【PS5×5G】オンラインゲームの在り方はどう変わる?

ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、2020年6月12日に次世代据え置き型ゲーム機「プレイステーション 5(PS5)」を発売すると発表しました。新型コロナウイルスの感染拡大が続き、ステイホームが推奨される中でゲーム時間が増えています。PS5は同時リリース予定のゲームタイトルにも人気作が多く揃えられており、多くの注目と期待が寄せられています。

また近年では、e-スポーツやクラウドゲームといった新しいゲームスタイルも注目を集めています。PS5の仕様は5Gと相性が良く、オンラインゲームのあり方を変えるのではないかと予想されているのをご存じでしょうか。今回はPS5と5Gの関連性や、今後オンラインゲームがどう変わっていくのか、ご説明していきたいと思います。 

PS5とは

ソニー・インタラクティブエンタテインメントが発表したPS5は、PSシリーズの次世代据え置きゲーム機です。PSシリーズは基本的に、高性能が追求されているハードです。任天堂が出しているswitchはライトゲーマー層向けに寄せられていますが、PSシリーズはコアなユーザー向けと考えていいでしょう。

PS5では新たに搭載された超高速SSDと、統合されたカスタムI/Oによって、これまでゲームの足かせとなっていたロード時間が劇的に変化します。シームレスでダイナミックに、広大なゲーム世界を堪能できるようになるでしょう。またカスタムCPUの性能向上により、物体を正確かつリアルにレンダリングされます。CPUにはアップグレードされた高性能なx86-64-AMD Ryzen™ “Zen 2”が採用されています。

発表日などの予想は?

正式な発売日や価格は、2020年8月時点では未定ですが、今冬発売予定とされています。高性能スペックとなると、気になるのが値段ではないでしょうか。製造原価、これまでのPSシリーズの価格設定から考えて、7~8万円台になるのではないかという予想の声もあります。一方で7~8万円だと購入者が少なくなる可能性もあることから、4~5万円になるのではないかという説もあるようですね。参考までに、これまでのPSシリーズの値段推移と発売日について、確認してみましょう。

  販売価格 発売日
PS1 3万9800円 1994年12月3日
PS2 3万9800円 2000年3月4日
PS3 4万9980円 2006年11月11日
PS4 3万9980円 2013年11月15日

 

正式な発売日や価格は、2020年8月時点では未定ですが、今冬発売予定とされています。値段は高性能スペックや製造原価、これまでのPSシリーズの価格設定から考えて、7~8万円台になるのではないかと予想されています。恐らく年末年始の商戦期に合わせて発売されるのではないでしょうか。

※値段の面ですが、7~8万円ですと購入者が少ない可能性もあることから、4~5万説もあるようです。これまでのPS1からの値段の推移等も表にして記載すると分かりやすいかもしれませんね。

発売日と PS5のスペックは?

ゲーム機としてはやや高額な価格設定ですが、ゲーミングPCにも匹敵するスペックはコアなゲーマー層をターゲットにしていると考えられます。そのため妥当な価格設定だと考える人も少なくありません。

デザインもスタイリッシュでありながら、歴代の据え置き機の中でもかなり大きなサイズになると予想されています。一般的なゲーム機は巨大化に躊躇いがあり、これまではいかにコンパクトにするかといった方向に進んでいました。しかしPS5はスペックを重視し、あえて本体を一回り大きく設計しています。ハード性能は現行のPS4と比較しても、最低2倍以上が約束されています。過去のハードと比べても、かなり大柄なハードになると考えておきましょう。

 

PS5は5G対応!?

2020年には、高速な次世代モバイル通信「5G」のサービスが始まりました。5Gはスマホ業界だけではなく、ゲーム業界にも影響を及ぼします。たとえば5Gの開始により、クラウドゲームサービスが本格的に展開される見込みも立ち始めています。

2020年8月時点では大きなインパクトはありませんが、ステイホームの影響もあり、今後クラウドゲーム市場の伸びが予想されています。

5Gには「超高速大容量」「多数同時接続」「超低遅延通信」という、三つの特徴があります。常に通信しているオンラインゲームでは、遅延ストレスが解消され、さらに映像処理やダウンロードの高速化といった恩恵も受けられるでしょう。オンラインの対戦ゲームではタイムラグも発生しにくくなります。ワイヤレスでも低遅延でオンラインゲームプレイが可能になるので、場所を選ばずオンラインゲームが遊べるようになるでしょう。

今後5Gは、エンタメ領域での主軸になっていくと予測されています。高性能次世代機のPS5と5Gを組み合わせることにより、約5年後の2025年を目途にe-スポーツも大きく変わるのではないかと言われています。5Gの特徴によって同時接続でプレイできるユーザー数が増え、より大規模な大会が実施できるようになるでしょう。

一方、2020年8月時点で、PS5が5Gに対応しているとの発表はありません。国内で5Gサービスが開始されたのは2020年3月であり、国内でも基地局などの関係から対応エリアが限定されています。しかし今後5Gは普及していくことが、あらゆる業界で予測されています。ゲーム業界からも5Gへの対応が期待されており、5G時代を目前に控え、ソニーも対応を迫られています。オンラインゲーム、クラウドゲーム、e-スポーツなど通信を前提としたゲームに期待が集まる中、今後のソニーの動向からは目が離せません。

PS5にはSONYの最新技術が集結!

PS5には、これまでソニーが培ってきた最新技術が結集されています。どんな技術が用いられているのか、一つずつ見ていきましょう。

8K

ソニーは8Kチューナーを搭載した8K液晶テレビ「Z9H」を発売しています。圧倒的かつ繊細な光の輝きを作り出し、パネルを感じさせない感覚が追求されている製品です。かつてない体験と美しさを売りに、ソニーの技術を結晶して、史上最高クオリティの8Kテレビとして提供されています。

8K映像は5G網を介して即時伝送され、地上のモニタに表示される仕組みとなっています。つまり5Gと組み合わせることにより、8Kならではの高精細映像が実現され、臨場感が生み出されるということです。

8K画素の密度は実物感としてのリアリティを一段と高めてくれるでしょう。圧倒的な没入感を生む高画質な8K映像は、あらゆる技術的なノウハウが揃って初めて実現できる技術です。PS5では「8K解像度」モニタへの対応が謳われています。現在主流の4Kと比較しても約4倍の解像度となるので、より臨場感あるリアルなゲーム体験が実現されるでしょう。 

VR

過去の取材により、PS5は「PlayStation VR(PSVR)」の対応も判明しています。PSVRはPS4とPS5に対応したバーチャルリアリティシステムです。現在PSVRで用いられている「PS Moveコントローラー」は、従来からある製品の流用です。そのため、VR用のインターフェースとして最適化されていないという側面もあるようですね。しかしソニーでは、PC用のVRヘッドセットとして、ユーザーの手の動きをVR内で再現するグローブ型コントローラーの開発が進められています。手の動きを正確に再現できて、ボタンではない直感的な入力で操作ができるようになるでしょう。

またPS5のハード技術仕様によると、VRにおいて実写並みのリアルタイムCGを実現する機能「レイトレーシング」対応のGPUや超高速SSDが搭載されています。PS4との後方互換性などが明らかになっており、さらにリアルで没入感のあるVR体験が期待されています。

360度音響

PS5には、音を自在に配置できる360度音響技術も採用されています。360度音響技術は、いわゆる「立体音響」とも称されています。たとえばPSVRに搭載されている専用オーディオプロセッサは、50個の音源に対して360度の全方位に定位できるという性能を持っています。この音響技術は、ゲーマーやゲーム開発者から高い評価を集めました。PS5では、PSVRを超える3D音響システムを搭載することを目標に開発されています。臨場感のある音響技術により、ゲーム体験のリアリティを今まで以上に高めてくれるでしょう。

PS5×5Gと、未来のゲームの可能性

昨今はオンラインゲーム、クラウドゲーム、e-スポーツなど今までとは異なるゲーム市場が活性化しています。5G時代の到来とPS5の発売により、未来のゲームはどう変わっていくのでしょうか。たとえば近年では「クラウドゲーム」と呼ばれるゲームスタイルが台頭しています。

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クラウドゲームとは、いわばゲームのストリーミング配信サービスです。プレイヤーの操作がネット経由でクラウドに伝えられ、クラウドが処理をしたゲーム映像やデータがプレイヤーの端末に配信されます。この仕組みによってゲームプレイが実現されるというスタイルになっています。ただしクラウドゲームでは、ネットワーク遅延の問題が少なくありません。ゲーム操作をクラウドに送るまでの距離、処理時間など、どうしても遅れが生じてしまうのです。そのためネットワーク環境が悪いとプレイが難しくなるでしょう。

高速大容量通信と低遅延という特徴を持つ5Gは、クラウドゲームとの親和性が非常に高いとされています。PS5では、初代PSからPS4までの従来機との下位互換性を、クラウドゲーミングを通して実現するアイデアを検討していることが判明しました。クラウドゲームという新たなゲームの分野においても、PS5×5Gは存在感を放っていくでしょう。

またオンラインゲーム分野においても、大きな変化が予想されます。複数プレイヤーが同時プレイする際に発生しやすい画面上のズレが無くなるので、より臨場感のある大戦が実現されます。ダウンロード速度も向上するので、ロード時間も減少し、ラグやフリーズが防止されます。現状のゲーム機では、ゲームのクオリティが高くなるにつれて動作が重くなったり、ロードに時間がかかったりというネックがあります。しかしPS5と5Gの技術を組み合わせることによって、それらのストレスは大幅に軽減されるでしょう。

さらに新技術により、新たなゲーム、新たなゲームジャンルが作られる可能性も非常に高いという声もあります。PS5と5G技術がゲーム業界をどう変えていくのか、今後も目が離せません。

まとめ

今回はPS5と5G技術がもたらす未来のゲームの可能性について、ご説明しました。

PSシリーズは優れたゲーム機であり、人気シリーズを多数持っています。PS5の発表に伴って人気タイトルも約28作発表され、コロナウイルス感染拡大の影響もあって高い注目を集めています。

近年ではオンラインゲーム、クラウドゲーム、e-スポーツといったネット通信前提のゲームも多く登場しています。しかしネット環境が悪かったり、同時接続数が多かったりすると、スムーズにゲームが楽しめないという問題もありました。高性能のPS5と5G技術を組み合わせることにより、今まで以上に進化したゲーム体験をストレスなく楽しめるようになるでしょう。PS5には、ソニーのあらゆる技術が結集されています。5G技術と組み合わせることによって、ゲームの世界をさらに充実させてくれるでしょう。