NTT東日本が10ギガのフレッツ光を展開。5Gと光回線のニーズは?

5Gの通信速度は、4G回線の通信速度の約100倍である10Gbpsになるといわれています。それに対して、現状は最大速度1Gbpsが主流である光回線などの市場においても、NTT東日本が10Gbpsのフレッツ光の提供を示唆するなど、さらなる通信環境の改善が期待されています。

光回線も5Gと同じくらいの速度が実現されるとすれば、双方はどのような場面で使い分けをされるのでしょうか。
はたまた5Gが普及すれば光回線はいらなくなるということもあるのでしょうか?今回は、5Gと光回線の速度の比較と、使い分けの方法までをご紹介していきます。

 

5Gの速度と光回線の速度の比較

まずは、5Gと光回線の通信速度から見ていきたいと思います。

5Gの速度の理論値は4Gの約100倍

現在、4G回線で通信速度が最速なのは、NTTドコモが提供している『PREMIUM 4G』の下り最大通信速度1.288Gbps(理論値)です。ただ、これは5つの周波数を束ねたパターンで実現している数値ですので、周波数1波のみであれば下り最大通信速度788Mbpsが最大となります。
一方5G通信は、下り最大通信速度10Gbpsでサービスが開始され、将来的には下り最大20Gbpsに達することが予想されています。このことから、5Gの通信速度は、4G回線の約100倍になることがわかります。

光回線の通信速度は1Gbpsが主流

現在、フレッツ光の回線速度は最大が下りで秒速1Gbpsが可能であると公式アナウンスされています。また、フレッツ光の流用サービスである光コラボレーションなども同様です。しかし、フレッツ光も含めた多くの光回線サービスが公式アナウンスする、最大速度1Gbpsは最大限の努力をすればこれくらいまで届くという理論値です。つまりフレッツ光は1Gbpsの通信速度が実現すると保証しているわけではなく、あくまで理論上、いろいろな好条件が揃えば1Gbpsの通信速度も可能な回線品質、と表現しているということです。そのために光回線のユーザーにおける実質的な速度としては、最大通信速度が1Gbpsの回線だとしても60~200Mbps程度と言われています。

フレッツ光の10Gbps対応サービスとは

NTT東日本は光回線サービス『フレッツ光』において、最大通信速度が10Gbpsのメニューを追加することを2020年1月の日経xTECHインタビューで明らかにしました。2020年4月から東京都23区の一部で提供を始め、エリアは順次拡大していく予定です。また、この、10Gbpsの光回線であれば、数値だけを比較すると5G通信と光回線の速度はほぼ変わりありません。

また、現在もau光やNURO光においては10Gbpsのオプションサービスを提供していますが通常の1Gbpsのプランと比べて1000円ほど月額料金が高いのが現状です。NTT東日本の10Gbps対応サービスは現在月額料金の発表はありませんが、既存の10Gbpsサービスと同等ほどの上乗せがあるのではないでしょうか。

https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1227778.html

5Gがあれば光回線は不要なのか

実際、10Gbpsの光回線と5G通信の通信速度を比べてもそれほど大きな差はありません。ですが、5Gが実用化しても、光回線はなくならないと予想されています。それも、5Gを利用したサービスが本格化することで、従来と比較してさらに通信量が増加することが予想されるからです。

総体的に通信量が増えるのであれば、その基盤になっているインフラ部分、つまり全国に張り巡らされたネット網がそれに耐えなければなりません。

5Gなどのモバイル通信は基地局やアンテナとつながることでインターネットの利用ができるようになっています。世界中のサーバーなどと基地局がつながるには、その間にある光ファイバー網の存在が欠かせないというわけです。

更に、総務省はどこでも高速インターネットの環境を整備するために、5G通信の基盤となる光ファイバー回線を全国的に維持する負担金制度をつくり、2024年にも携帯電話を含むネット利用者から広く薄く徴収し始める方針を示しています。アメリカやイギリスなどはすでに高速ネットを不可欠なサービスに位置づけており、日本も制度化される見込みです。

5Gの考えられるデメリット

光回線がなくならない理由の一つとして、5Gにも弱点があるという点があげられます。

5Gの周波数はビルなど障害物に遮られやすく、遠くまで到達しにくいということや、それを克服するため各キャリアとも、電波を目的の方向に集中させるビームフォーミング技術を強化したり、基地局を増大したりするなどの対策をとる必要があります。

また、5Gも携帯電話のネットワークである以上、これまで通りに『通信制限』という問題が付きまとってくると予想されます。それと比べて、光回線は月額固定料金制であり、通信量がいくら増えたとしても月額料金は変わりません。

例えば、Instagramを何時間見ても、YouTubeなど動画配信サービスをいくら視聴しても、月額料金は一定なのです。5Gは速度が速い分、短時間に大容量のデータを消費してしまうため、月末を待たずして通信制限に陥ってしまう可能性があります。

5Gは光回線より手軽

5Gなどのモバイル回線は、利用者にとってスマホの電源を付けるだけでインターネットが利用できる便利なものです。それに比べて光回線は工事が必要であったり、それに伴う調査が必要な場合もあるなど、手間がかかってしまうのが現状です。

また、現状大手携帯会社のサービスに『ギガ使い放題プラン』などの、通信制限対策ともなるサービスもあります。可能性の話ではありますが、今後5G通信が商用化された際も、そのようなサービスが継続されれば、より便利にインターネットを利用することができるようになるのではないでしょうか。

5Gと光回線は状況によって使い分けが必要

上記のように、互いの弱点を補っているともいえるのが5Gと光回線の関係性です。5Gなどのモバイル通信は、今後も持ち運びのできるインターネット環境として出先や旅行先などで重宝しますし、光回線は自宅内のIoT化などにより固定のネット回線は必要とされていくでしょう。

このように、5Gと光回線は双方を状況によってうまく使い分けることが大切です。また、光回線だけではなく、5GとWi-Fiの使い分けなどについても下記記事に参照しておりますのでご覧ください。

大量通信が可能な5G。Wi-Fiは果たして必要なのか?

 

まとめ

NTT東日本が10Gbpsのフレッツ光を展開する方針を示したことで、今後様々な光回線も10Gbpsの通信が一般化していくことが予想されます。特に、NTTが発表した光回線は、順次光コラボレーションなどにも適用していくのだそうです。

5Gの実用化、10Gbpsの光回線など、通信環境は様々な方向から更に快適に整備されていきそうですね。