ローカル5G、総務省は免許申請受付12月24日に申請開始!申請方法ガイドライン解説

ローカル5Gはそろそろ免許申請受付開始を発表するのでは?というう記事を書いた直後に免許申請受付開始時期の発表がありました。想定通りといいますが、5Gへの普及にかなり総務省が前のめりの印象を伺えます。今回は発表されたローカル5Gのガイドラインの概要について解説していきたいと思います。

まもなくローカル5Gの申請受付開始ではありますが、3日すぎていまだ総務省より発表はありません。こちら申請が開始したらあらためてこちらの記事内にて更新予定となります。まずは発表がある前に、申請方法や、そもそものローカル5Gを利用するメリットについて紹介していきたいと思います。

2019年12月24日のクリスマスイブにローカル5Gの申請が開始となりました。開始とともに関東で申請をしたのは、大手6社でした。

  • 東京都
  • NTT東日本
  • NEC
  • 富士通
  • ケーブルテレビ株式会社
  • ジュピターテレコム(J:COM)

ローカル5Gの申請受付時期決定まで

今回の総務省で発表では、該当のガイドライン案に関して1カ月間の意見を募集し、内容をまとめたうえで制度を整備していくということです。

そのうえで、申請受付時期を2019年の12月から始めるということです。

今回のガイドラインをしっかりと見たうえで5Gチョイスではどのようなことが可能であり、懸念されるのかという点を第三者目線でしっかりと見ていきたいと思います。

ローカル5Gのガイドライン案の構成

早速今回のガイドライン案の構成を見ていこうと思います。

ローカル5Gガイドライン案http://www.soumu.go.jp/main_content/000646534.pdf

  1. ガイドラインの目的
  2. ローカル5G導入に係る電波法の適用関係
  3. ローカル5G導入に係る電気通信事業法の適用関係
  4. ローカル5Gの免許人による全国MNO等との連携

以上の4つで構成されています。(正確には5のガイドラインの見直しとありますが、ここは1か月後に追加修正される文言が入る部分だと思いますので今回は割愛いたします。)

1のガイドラインの目的の構成として

  • ローカル5Gの概要
  • ガイドラインも目的

となっておりますが、ローカル5Gってなんなのか?という点とガイドラインの目的について書かれています。ポイントは2つ目のガイドラインの目的の部分ですが、

ローカル5Gの導入を促進する観点から、ローカル5G及び自営等BWAに係る制度について明確化するものである。

という点です。つまり、ローカル5Gをどうしたら導入できるかどうかという説明書のようなものです。

本日から始まっている意見受付時期は、このガイドラインを見たうえで懸念される制度のあいまいな部分やリスクについて受け付けるものであるようです。

ローカル5G導入・免許取得に必要なこと

それでは、肝心の中身を解説していこうとおもいます。はじめはローカル5Gを導入するために必要な免許の取得申請に必要な事項から見ていきたいと思います。

ローカル5G導入に必要な基地局

当然、5Gという移動通信システムを利用するので無線基地局というのが必要になってきます。ちなみにこの無線基地局を世界で一番売っているのがハーウェイです。

ローカル5Gを導入するためにまずは、まず無線基地局を利用する予定の土地や建物に設置していかなければなりません。しかし5Gの電波の特性上日本ではNSA(Not Stand Alone)方式ですので4G通信用のBWAの基地局も必要となってきます。

  • 5G基地局
  • 自営等BWA(4G/LTE)

以上の2つの基地局を導入予定の土地や建物内に設置していく必要がまずはあります。

ローカル5G導入に必要な資格・免許等

まずローカル5Gの基地局を設置するために必要な資格と免許について話をすると、大きくわけて2つあります。

  • 陸上特殊無線技士の資格(一級もしくは三級)
  • 包括免許

ローカル5Gの基地局を扱う無線従事者については電波法に基づいて、陸上特殊無線技士の有資格者が必要となります。またそれは、空中電力100Wを超える場合には1級である必要があるようです。

またローカル5Gにおいては複数の基地局を運営する必要があるため、結果として包括免許が必要となってきます。

ちなみに包括免許とは、無線局の利用を、1つの免許で複数可能にする制度のことです。

ローカル5G免許申請前に知っておくべきこと

以上が最低限知っておかなければいけないローカル5Gの基地局の種類および免許・資格の話でしたが、つづいてローカル5Gの免許申請前に知っておきたいことについてガイドライン案から説明していきたいと思います。

ローカル5G導入時にかかる費用等

もっとも気になる点としては費用なのかもしれません。下記の表で説明いたします。(年額費用)

ローカル5G
(28.2-28.3GHz)

基地局 2,600円/局
陸上移動局(包括免許) 370円/局

自営等BWA
(2575-2595MHz)

基地局※1 19,000円/局
陸上移動局(包括免許) 370円/局

※1:空中電力が0.01Wを超える場合

以上が年額でかかる基地局の数に係る電波利用料金となります。設置する基地局の数によりますが、少ない範囲や基地局であれば年間で1つずつ設置した場合であれば、22,340円/年でローカル5Gは設定できる計算ができます。

月額料金としては1,861円となります。(あくまで仮定の計算です。)

それ以外にも基地局そのものの費用や、無線管理者における費用などを考えれば多少あがるかもしれませんが、基本のそのような金額になるようです。

ローカル5Gの取得可能者・提供範囲について

まずローカル5Gを申請取得できるのは、全国キャリア以外になります。ただし全国MNOの子会社等の関連企業の免許取得は可能であるようです。

ローカル5Gは自己の建物内や土地内である必要があります。しかし、当該所有者からシステム構築を依頼されたも者も、依頼を受けた範囲内で免許取得が可能であるということです。

一方他者の建物や土地等での利用については固定回線の利用のみ限定されるが5Gを構築ことができそうです。

ローカル5Gの事業開始に必要な手続き等

続いてローカル5Gをつかった通信事業の開始についてみていきたいと思います。

ローカル5Gの電気通信業の届け出

基本的にローカル5Gの通信回線を利用して自己需要、つまり工場内での利用などの場合であれば電気通信事業の登録および届け出をする必要がないということらしいです。

しかし、その反対である場合には電気通信業の届け出が必要であるということです。しかしその届け出の有無にかんしては、当面NSA構成のため自営等BWA・地域BWAおmしくは全国のMNOの電気通信設備との接続が想定されうことより、該当性を各総合通信局等に相談することがもとめられています。

IMSI取得に関する考え方

ローカル5Gにおいてもそれぞれの電波を認識するために必要なIMSIの番号が必要となってきます。ちなみにIMSIとはInternational Mobile Subscription Identityの略ですが、今通信時に利用されているSIMカードに記録されている端末認証番号のことです。

このIMSIの取得についての考えは下記の表について確認する必要があります。

コアネットワークを設置する主体 利用形態 使用するIMSI
コアネットワーク設備の提供を受けて運用する場合 自らの通信の利用のみ 卸元事業者の IMSI を使用
【441-***-*********】
電気通信役務の提供
自らコアネットワークを構築して運用する場合 自らの通信の利用のみ 【999-002-*********】
電気通信役務の提供 運用者自らが指定を受けた IMSI を使用
【441-***-*********】

ローカル5Gと全国MNO(キャリア)との連携

ローカル5Gとキャリアの関係性、連携については基本的にガイド来ではこのように書かれています。

全国MNOのサービスを補完することを目的として、又は実質的に補完する形態でローカル5G帯域を利用することは、ローカル5Gの本来の趣旨にそぐわないものであり、このようなローカル5G帯域利用は認められない。

とされています。つまりキャリアの電波が弱いところをローカル5Gが補って一つのサービスとすることをNGとしています。

一方でローカル5Gが全国MNOからサービスの補完やアンテナ設備等の補完をされるのは良しとされています。

そもそもローカル5Gのメリットとは

大手企業が今こぞって利用しようとしているのがこの「ローカル5G」ですが、なぜ企業はそももそもこのローカル5Gを利用したがるのでしょうか?

いままで工場内やビル内、大型施設内などにおいてインターネットを利用する場合には、大手キャリアの提供する通信領域、つまり企業向けパッケージとはいいつつも、一般ユーザーの利用している電波領域を利用していました。

しかし、今回ローカル5Gはキャリアへの割当とは別にローカル5G用に電波が総務省より割り当てられました。

これにより、企業は国に対して利用料金を支払い上記のような形でアンテナを整備することで独自のインターネット回線を利用することが可能になりより安定性・セキュリティの高いインターネットアクセスのための電波領域を確保することができるようになります。

また他メディアでもいわれているような屋内向上などで利用するスマートファクトリーや敷地外などで利用する重機等の遠隔操作、警備、さらに大型施設・競技場などでトラフィックを気にすることなく安定した高速通信を可能とさせると期待されています。

すでに大手企業や電力会社などが開設にむけて動き出しています。

まとめ

以上が今回のローカル5Gにおえるガイドライン案でした。今回の発表後1カ月後に内容の変化、もしくは追記事項がるかと思いますがその点についても追ってご紹介したいと思います。

今回のガイドラインで見えてきたこととして、ローカル5Gの通信回線でも通信事業者として登録することが可能であるように感じます。もしかすると地域限定、建物限定の5Gへの接続サービスが今後展開されてくるのではないでしょうか。

 

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