5GとMR技術の融合からはじまる新しいカタチの建設事業・小柳建設の取り組み

5Gのインフラが整うこで、広がる産業革命は建設業にも大きく影響を与えそうです。MR技術を利用した新しいカタチの建設業のスタイルをマイクロソフトが開発した技術「MR:Mixed Reality(ミックスドリアリティ)」を活用したプロジェクトを推進している小柳建設株式会社(以下、小林建設)の取り組みにと合わせてご紹介したいともいます。

小柳建設が推進しているプロジェクト「Holostruction(ホロストラクション)」とは

2017年4月に発表され、開発がすすめられてきたHolostruction(ホロストラクション)は、2019年7月から本格的に有償でのトライアルの公募が行われ現在トライアル期間中となっています。

 

このHolostruction(ホロストラクション)は小林建設と日本マイクロソフト株式会社(以下、マイクロソフト社)が連携し、Windows10を搭載した世界初の自己完結型ホログラフィック コンピューター「Microsoft HoloLens」(マイクロソフト ホロレンズ)を活用したプロジェクトです。

Holostruction(ホロストラクション)による業務トレーサビリティーの向上

建設業におけるトレーサビリティとは、すべての建設業にかかわる業務工程である、計画から工事、検査、アフターメンテナンスのすべてをさします。

このすべての工程を明確に表現することが今回のHolostructionプロジェクトにおける一つの目的です。

今まで施工における計画や工事、検査などの表現方法について紙とデータの両方でやり取りが担当者ベースでしかわからなかったものをデジタル化することでより明確にする狙いがあります。

Holostruction(ホロストラクション)によるBIM-/CIMデータの活用試行

建設現場における検査において、検査員の不足や負担などが課題として挙がっており新しいカタチでの検査方法が求められていました。

BIM(Building Information Modeling)やCIM(Construction Information Modeling)といった設計から工事、メンテナンスにいたるまでの建設物ライフサイクル全体のモデルに蓄積された3Dデータなどのすべての情報を活用しながら、直感的な新しい検査基準の検討や検査文章の作成負担などにとりくみます。

Holostructionプロジェクトにおいては、設計図を3Dで可視化できるyぽうにしつつ必要検査データなどのも紐づけることを可能にし必要な時にわかりやすいカタチでのデータ取り出しを実現させます。

Holostruction(ホロストラクション)による新しいコミュニケーションスタイルの創造

建設途中の現場においては、場所によっては危険な箇所も多く存在します。

その現場に大勢で視察するということは危険を伴い結果として少人数での視察という形でしか対応できませんが、このHolostructionプロジェクトではMR技術を活かして、遠隔地からでも現場にいるようなスケールで状況を確認することを可能にします。

MR技術:「HoloLens(ホロレンズ)」とは

HololensはMR(Mixed Reality)の経験をあたえてくれるマイクロソフトが開発しているソリューションの一つです。

いまXR技術の一つでもあるMRは、前回もこちらの記事で紹介しておりますので参考にしてみてください。

Magic Leap One(マジックリープワン)をついに日本で体感できる!!スターウォーズの世界も5Gで実現可能!?

Hololensのビジネス対応アプリのソリューションとして以下の三つが注目されています。

Hololens:Dynamics365 Remote Assist


リモートアシストとは、文字通り遠隔地から作業をアシストしてくれるものになります。

インターネットに接続されているという条件かにおいて、レンズから移しだされる映像と目の前にある作業物とをみながら、時には資料を手元にとることなくレンズ越しに映し出して確認することができます。

Hololens:Dynamics365 Guide


特殊な技術を習得するときにおいても、このサービスを利用することができます。

映像にある新しい職場においての研修などにおいても実践をレンズをしながら学ぶことが可能になります。

複雑な機械の組み立てに関しても、直感的に紐づけることが可能となり部品の接続部分などに説明などを紐づけることが可能になります。

さらに、作業時間などのデータなども数値化されるので作業効率化を可視化して評価制度にもつなげやすくなります。

Hololens:Dynamics365 Layout

レイアウトやデザインなどもデータをマイクロソフトにインストールするだけで、あとは簡単に設置配置を配置しすることができるようです。

この技術においては、小柳建設の映像にもあったようにデータ化されたデザインを現場のレイアウトに合わせて配置、変更が可能になります。

建設現場にてこの技術を活用することで、視察や建設途中時におけるデザインの変更を行った場合を直感的に確認することもでき、さらには変更に伴う問題点なども直感的に確認することができてきます。

5GとMR技術の関連性が広げるさらなる建設業界の未来

これらのMR技術が今までフォーカスされてこなかった一番の原因は、これらの大量の映像データをレンズ端末に対して送信しにくい点にありました。

しかし5Gという高速通信インフラが整うことで、このMR技術が一気に加速されることが予想されます。

大量データをディバイス、Hololensなど離れた場所にデータを送れるとしたら建設現場のような広い土地でも簡単に情報共有をすることが可能になります。

さらに建設途中における建物内に入ったとしてもディバイスが5Gと繋がってさえいれば元データを遠隔にあるパソコンデータと連携して工数の修正や設計の見直しなども現場と遠隔地双方からの修正が可能になります。

なにより現場における人手不足もこれにより解決できる糸口が見つかるのではないでしょうか。