IoT家電における5G活用のメリット

近年家電業界で注目を集めている『IoT家電』をご存知ですか?簡単に言えば、インターネットに接続できる家電のことで、スマホ等と連携することができ、操作性や利便性を従来の家電よりアップさせた製品になります。
また、最近では各携帯キャリアがサービスを開始した5Gも話題に上っており、モバイルでの利用にとどまらず様々な場面で利用できるとされていることから、5GをIoT家電への利活用も進められているところです。
しかし、IoT家電とはいったいどのようなもので、インターネットや5G等と接続することでどのように利便性が向上するのか実際よくわからないという方も多いでしょう。
そこで本記事ではIoT×5Gをキーワードに、IoT家電の基礎知識の解説からIoT家電で5Gを利用するメリットやデメリットまでご紹介してまいります。
Contents
IoT家電とは
そもそもIoTとは、『インターネット・オブ・シングス』の略で簡単に言えば、先ほども申し上げた通りに『インターネットに接続されたモノ』のことを指します。
・IoT家電はインターネットにつながった家電
これまで、インターネットとつながるものといえば、パソコンやスマートフォンなどの通信機器が一般的でした。ところが、IoTという先端技術を用いることによって、これまでインターネットとつながると考えられていなかったモノたちも、通信によるつながりを持てるようになったのです。その代表的な例の一つが『家電』です。
・IoT家電の種類とIoT家電でできること
例えば、スマホで操作できるエアコン、冷蔵庫、洗濯機、扇風機、炊飯器、電子レンジなどがIoT製品としてあげられます。スマホをリモコン代わりに操作できたり、遠隔操作を行ったりすることができることで管理から操作までスマホ1つで行うことができるようになります。
また、家電の利用によって蓄積されるさまざまな情報を、インターネットを介して集めたりすることも可能になりました。ちなみに、IoT家電の中でも、特にスマートフォンのアプリを通して操作できる家電は「スマート家電」と呼ばれています。
IoTと5Gの関係性
自宅ではWi-Fiを利用することが殆どで、IoT家電を今自宅に所持しているという方でも4G回線などのモバイル回線ではなくWi-Fiを利用している、または説明書にWi-Fi環境下でと書いていたという方も多いでしょう。
ではIoTと5Gにどんな関係があるのかといいますと、そもそも5Gは特徴として
①高速かつ大容量の通信
②同時に多数のデバイスを接続できる
③リアルタイムとの誤差がほぼゼロ
等があげられるため、IoT製品の性能をさらに上げるとして期待されているわけです。
そのため、Wi-Fiに変わってIoT製品が接続するべきインターネット回線として主流になってくるでしょう。というのも、近年のIoT家電はAi等を搭載してユーザーの使用状況等のデータを収集し、データをもとにユーザーごとの利用方法を提案したりする機能なども搭載され始めています。
また遠隔地からの操作となりますと、災害時などは特にリアルタイム性を求められる場合もあるでしょう。
尤も、家電に限らずIoT自体が5Gの利用によってさらに精度を上げてくると予想されていることもあり、安全と利便性向上の観点からもIoT家電の進化とともに5Gの利活用をベースとした製品開発が行われていくであろうということです。
5G対応のIoT家電のメリット
とはいえ、Wi-Fiでよいし5G対応になると家電がますます高価になるのではと不安になられる方もいらっしゃるでしょう。IoT家電が5G対応になり、家電で5Gを利用するメリットについて解説していきます。
・スムーズに操作ができる
1つは高速で大容量の通信が可能であるため、スムーズに操作ができるという点です。現在のWi-Fiですとどうしても接続が悪くなってしまったり、反応が遅かったりという不具合が起こることもあるかもしれません。しかし5Gの場合は高速通信を利用するため、接続に関するストレスがなくなるというのは大きなメリットであるでしょう。
・同時に多数のIoT家電を接続しても大丈夫
また、5Gは同時多接続という特徴があり、一度にインターネットに接続できるデバイスはなんと4G等と比べて約10倍であるといわれています。
現状、4GやWi-Fi等では人の多い場所で接続したり、Wi-Fiを大人数で利用したりすると接続が切れてしまったり、遅くなったりしてしまう可能性がありますが、5Gの場合は、同時に多数のデバイスをインターネットに接続してもそういった不具合が起こりにくいので安心です。
IoT家電が自宅内にたくさんあったとしても、常にインターネットに接続しておくことができます。
・使用歴などをデータ化して保存しておくことができる
また、5Gに接続しておくことで使用歴など大量のデータをクラウド上に保存しておくことができるようになります。例えば、資生堂のIoT製品に『オプチューン』という製品がありますが、こちらは美顔器をインターネットに接続しておくことで毎日の肌の状態をデータとして記録していき、肌質の診断や肌の変化、ターンオーバーなどを分析できるようになっています。
IoT家電を利用しているユーザーに特化したデータを保存し、そこから分析するためにも大量のデータを保存しておけるポケットが必要になるので、5Gの大容量通信が必要になるということです。
遠隔地からリアルタイムで操作ができるようになる
5Gは4Gなどと比べてリアルタイム性が向上し、その精度は海外から5Gを利用して患者の手術ができるほどであるといいます。
IoT家電で例えるならば、自宅のIHを消し忘れたとき、冷蔵庫の中身を確認したいとき、ここ一週間で作った料理は何だったか確認をしたいときなど、5Gを利用することで遠隔地からでもすぐに対応をすることが可能です。特に現在はスマートロックというスマホで管理ができる鍵の導入が盛んになってきていますが、こちらも5Gを利用することで遠隔地からでもリアルタイムに鍵の開け閉めができるので便利です。
IoT家電を5Gに接続するデメリット
とはいえ、5Gはもともとモバイル回線ですので、IoT家電に利用するとなると下記のような様々な障壁も考えられます。
セキュリティ面に不安が残る可能性も
例えば5Gを提供しているキャリアなどが不具合を起した場合等、現在はスマホのデータが破損したりすると注意喚起されるのが一般的です。しかし、この5G通信をモバイルだけでなくIoT家電をはじめTVやその他のデバイスまでに接続するとなると、万が一の場合にいろいろな製品に被害が及ぶ可能性があります。
その中で、情報の不正利用がされることもゼロであるとは言い切れないでしょう。
IoT家電自体が高価になる可能性も
5G対応になると、それに付随してIoT家電も大きく変化し、様々な機能が追加されることが予想できます。そうすると、それゆえIoT家電自体が高価になってしまう可能性もあるでしょう。
なかなか手を出せない家庭も出てくることで、あまり普及しないこともあり得るかもしれません。
スマホが壊れると操作ができなくなる
IoT家電の中でもスマート家電はスマホを利用して操作をするものであるため、常にスマホと接続した状態にあり、リモコンがついていない製品も多くあります。
スマートロックもこの1つですが、鍵自体には当然リモコンなどついていないわけで、ICカードを登録したるBluetoothなどでつないで操作を行うわけです。そうすると、スマホに何らかの不具合が起こった場合IoT家電がまったく利用できなくなる可能性もあるでしょう。
今後IoT×5Gの家電は増える予想
そうはいっても、5Gは今後いろいろな業界での利活用がアナウンスされているところですので、IoT家電の中でも5Gに対応した製品は増えていくことが予想できるでしょう。
未だ5Gが利用できるエリアについては不安な点も残りますが、2030年には完全に5Gが全国をカバーする予定であるとのことで、それに向けIoT家電もどんどん進化し、増えていくはずです。これまでの家電の在り方や利用の仕方と全く違ってくる可能性もあり、さらに便利になることが期待できますので、ぜひいろいろな知識を蓄えておいて、安全に便利に家電を利用できるようにしましょう。