新作マリオカート、ARで自宅がサーキットに!5Gがいよいよ本格的に活躍か?

新作マリオカートが10月に発売されると、先日発表がありました。その驚きの新機能といえば、ARカメラで自宅中をサーキットにできるというもので、リアルとゲームが融合した新しいゲームの在り方、楽しみ方を提供してくれると期待されています。

そして、AR技術は次世代通信規格『5G』の恩を受けるとされ、ゲーム業界でも今回の新作マリオカートを筆頭に更に5GとARを融合したサービスは今後さらに増えていくことでしょう。

本記事では、新作マリオカートの解説を行いながら、AR技術や5G、それぞれの融合でゲーム業界はどのように変わっていくのかという点について言及してまいります。

新作マリオカートはARで自宅がサーキットに

任天堂は、2020年9月3日、Nintendo Swich用ソフト『マリオカート ライブ ホームサーキット』を10月16日に発売すると発表しました。同作はカメラが内臓されたカートと、Nintendo Swichが連動するARアクションレースゲームで、ARを活用することでリアルとゲームが融合した臨場感のあるプレイを楽しむことができるとされています。

価格はARという最新技術が利用されているにも関わらず9980円(税別)で、1万円ほどで購入できる手ごろさも話題となっているところです。

ARとは

新作マリオカート『マリオカート ライブ ホームサーキット』はAR技術が搭載されています。そもそもARとは何なのか、というところから解説していきましょう。

ARとは、拡張現実といわれ実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示することで、目の前にある世界を“仮想的に拡張する”というものです。これまでのサービスで身近なものでいうと、『ポケモンGO』がこれにあたり、スマホのカメラを利用して自分が今いる場所とバーチャルを融合させることで臨場感のあるプレイを楽しむことができました。

尤も、『ポケモンGO』は2016年に世界的にも大ヒットしましたが、そのヒットの要素として、この『ARモード』が重要な役割を果たしたと考えられています。

マリオカート ライブ ホームサーキットについて

『マリオカート ライブ ホームサーキット』のセットにはカメラが内臓されたカートが入っています。そのカートと、Nintendo Swichが連動することで、自分の部屋がマリオカートのサーキットに早変わりするというわけです。AR技術が搭載されているにも関わらず値段は9980円(税別)で、1万円程度で購入することができ大きな話題を呼んでいます。

上記の動画はNintendoの公式宣伝動画です。

操作方法としてはNintendo Switchのスティックを動かすと、自由自在にカートを走らせるというもので、アイテムの『ダッシュキノコ』を使うとカートがダッシュしたり、コースに潜む『パックンフラワー』に食べられるとカートがストップしたりと、マリオカートのレース中に起こること全てが、カートの動きと連動するようになります。

また、Switchとカートを持ち寄れば、4人まで対戦可能で、カートは『マリオセット』『ルイージセット』の2種類が用意されているといいます。

箱を出してからすぐにリッチな体験ができますので、ぜひご興味のある方は購入し、体験してみてください。

ARと5Gの関係性とは

5Gとは、現在の通信規格である4Gにつ続く次世代通信技術のことです。5Gは4Gに比べて通信速度が約20倍速くなり通信におけるリアルタイムとの遅延はほぼゼロになるとアナウンスされており、スマホなどのモバイル端末に限らず多くの場面で利活用がされていくと期待されています。

特に、産業の高度化によって、解像度が高い映像や精巧なデータといった容量の大きなデータを送り合う機会が増えました。ARやVRなどによる映像も大容量データの1つです。特に、通信環境によって精度が左右されるARやVRなどの先進的技術は、5G移行によって大きな進化を遂げるでしょう。

というのも、ARは前述にご紹介したNintendo Swichなどのデバイスや、スマートフォンを利用して現実世界を見たときにデジタル情報を重ねて表示できる技術です。通信速度が速い5Gが普及すると、素早く情報にアクセスすることができるようになります。

現実世界とバーチャルを融合することでおのずと大きくなるデータのスピーディーな伝送に5Gは欠かせない存在であり、むしろAR技術は今後5Gのおかげでさらなる進化や活躍の場を広げていくともいえるでしょう。

ゲームコンテンツに5Gはどのような好影響を与えるのか

ゲーム業界におけるARの活躍と5G

2016年のポケモンGOしかり、今回のマリオカートしかり、AR技術で現実世界とバーチャルが融合されるのは、ゲームに更に入り込むことができ、これまでにない臨場感を体験することができます。

特に、ポケモンGOでは様々なスポットでスマホゲームを立ち上げると、特定のキャラクターが出現するため、多くの人々が珍しいモンスターをもとめてあちこち移動して回る現象が起こりました。『現実空間に仮想のモンスターが出現する』というスタイルこそ、ARの典型的なものであるといえるでしょう。目の前にある現実に仮想のモンスターが登場することで現実が『拡張』された世界がひろがるわけです。

マリオカートの場合も、普段日常何気なく暮らしている『自宅』がサーキットになり、子供のころにはしりまわって怒られていた廊下も『拡張』された世界であればいくら暴走しても怒られません。わくわくしませんか?

 

と、このようなゲームコンテンツにおいて、AR技術をストレスなく利用していくには5G通信を利用するというのが当たり前になるかもしれません。というのも、ARなどのデータを送り込むには大量のデータが必要で、ゲームをプレイしている途中に何らかの不具合や通信速度の不安定さなどがストレスにつながる可能性もあります。

ゲームコンテンツに限らず、PS5も8Kなどの大量の通信を利用する次世代機能が搭載されています。もはやゲーム業界やエンターテインメントにおいて5Gを利用する前提ともいえるでしょう。今後はARでリアルと現実を融合させたコンテンツが増えていくとともに、ドローンを利用した空を飛ぶARゲーム、水中で遊ぶARゲームなど、様々なサービスが展開されていくかもしれませんね。

5Gによるオンラインゲームの加速度的進化が期待できる東京ゲームショー2019

まとめ

本記事ではマリオカート ライブ ホームサーキットの解説を行うとともに、今後のゲーム業界におけるAR技術や5G技術の活躍について解説してまいりました。

ARに似た言葉にVRというCG等を利用した『存在しない世界』を存在させるように映す技術があります。しかし、完全に別世界に入り込んで楽しむジャンルならVRの方が臨場感が合って面白い面もありますが、ARの場合はあくまで現実空間を土台にすることでさまざまな形で活用できるのが大きな特徴です。

現実と仮想空間のはざまで楽しめるその新しい臨場感から、今後のゲーム業界ではマリオカートを筆頭にAR技術の搭載が広がっていくのではないでしょうか。現実×仮想だからこそ大きなビジネスチャンスが眠っているともいえるでしょう。