eスポーツが急発展!市場規模拡大には5Gが関係している?

新型コロナウイルスの影響から家で過ごす時間が増え、ゲームをする機会が増えたという人は多いでしょう。ゲームは今やeスポーツと呼ばれており、遊びではなくスポーツと同じ産業のひとつです。今後は、5Gの登場によって市場拡大に期待が高まっています。そこで本記事では、eスポーツ市場の現在と将来の動向について解説していきます。
Contents
eスポーツはゲームをスポーツとして捉えている
eスポーツは「エレクトロニック・スポーツ」のことで、対戦ゲームをスポーツのひとつとして捉えています。通信技術の発展によってゲームは進化し、世界中の人々と通信対戦できるようになりました。
eスポーツとスポーツは共通点が多く、スポンサー・プレイヤー・観客の3要素でビジネスモデルが構築されています。スポンサーが大会を主催もしくは協賛することで、高額な賞金が発生し、プレイヤーは優勝を目指し大会に参加します。そんなプレイヤーの戦いを見たいと観客が観戦しにくるのです。
eスポーツの大会で活躍するプレイヤーは、プロゲーマーと呼ばます。プロゲーマーの多くは、企業のeスポーツチームに所属して、年俸契約をしていますから、プロ野球選手と同じ職業として位置づけられているのです。また、チームとして成績を残すことは、企業にとってブランドイメージを確立するチャンスとも言えます。
プロスポーツチームもeスポーツに参加
最近では実際のプロスポーツクラブが、自身のeスポーツチームを結成するのがトレンドです。名門サッカーチーム「マンチェスターユナイテッド」は、eスポーツチームを結成し、サッカーゲーム「ウイニングイレブン」に参戦しています。
これによりマンチェスターユナイテッドは、サッカーのチケット収入以外に、大会賞金やグッズの販売など、収益化に繋がっているようです。このようにeスポーツは、単なる遊びではなく経済効果があると言えるでしょう。
・eスポーツ拡大の理由はスポンサー提携
eスポーツは、スポーツだけでなく格闘系や、シューティング系など豊富なジャンルの大会が開催されています。人気ジャンルのeスポーツとなれば、世界中の人々が大会を観戦するでしょう。そこで企業はeスポーツに参入することで、企業の認知度を高めたい考えです。
企業がeスポーツに参加する場合、もっとも多いのが「スポンサー」としての協賛です。企業がeスポーツ大会のスポンサーとなることで、賞金総額は跳ね上がり、30億円を超える大規模大会が開催されるようになりました。
eスポーツの日本市場規模
eスポーツに参入する企業が増えたことで、eスポーツの市場規模は拡大しています。株式会社KADOKAWA Game Linkageでは、2019年のeスポーツ日本市場規模は、61億円を突破したと報告しました。その数字は前年比127%のプラス成長です。2023年までには市場規模は150億円を超えると予想されており、eスポーツ市場の拡大は続きそうです。
(参考:2019年日本eスポーツ市場規模は60億円を突破。~KADOKAWA Game Linkage発表~)
・eスポーツ収益の内訳
日本のeスポーツ収益は、さきほど説明した「スポンサー収益」が全体の約8割を占めています。eスポーツを主催・協賛することで、eスポーツファンへのPRを狙っているのでしょう。
しかし、アイテム課金やグッズの収益は、全体の10%以下となっており、スポンサー以外の収入源が弱いと言えます。今後、日本のeスポーツ市場を伸ばしていくためには、課金やグッズの収益化に取り組んでいかなければなりません。
5Gがeスポーツを進化させる
2020年3月末にようやく提供開始となった次世代通信規格「5G」は、eスポーツを進化させる技術として注目が集まっています。
5Gには「超高速・低遅延・多数同時接続」という特性があり、膨大なデータを一瞬で安定的に通信が可能です。5Gがeスポーツに与える影響としては、以下の3つが期待できます。
・クラウドゲームの登場
クラウドゲームとは、コンピューター上でストリーミング配信されるゲームのことです。通常のオンラインゲームをする場合、ゲーム機本体やパソコンでデータを処理していますが、クラウドゲームはクラウド上のサーバーで処理を実行し、ゲームデータをストリーミングしながらプレイします。
これまでクラウドゲームの課題は、ストリーミングするときのタイムラグでした。ネット環境が悪いと通信が不安定になり、画面が固まるなど不具合が起きていました。
そんな問題を解決するのが5Gです。5Gは遅延なしの操作性で、どんなゲームでもサクサク動かすことができます。特にFPSなどのシューティングゲームは0.1秒の操作で勝敗が決まりますから、タイムラグなしでゲームできるのはユーザーにとって非常に魅力的です。
・大会開催が簡単になる
eスポーツ大会で大切なのは、機材の公平さです。もし通信が不安定になったり、タイムラグが生まれれば、大会の公平性を保つことはできないでしょう。5Gが普及すれば、大量のプレイヤーがいたとしても同時接続が可能です。しかも低遅延なので、これまでよりも通信の安定性に期待できます。
・リアルタイム配信が可能になる
さらに5Gを使えば、観戦の幅も広がります。プレイ画面に加えて、プレイヤーの手元や会場全体が見えるよう多数カメラを設置し、それぞれの映像をリアルタイム配信することもできるでしょう。観戦者はすきなカメラを選択して、より自由度の高い観戦が楽しめます。
日本のeスポーツ市場は遅れている
日本のeスポーツ市場は年々規模を拡大しており、5Gが普及すれば、市場がさらに大きくなることは間違いありません。しかしゲーム大国と呼ばれる日本のeスポーツ市場は、世界と比較すると遅れているのです。
2019年の日本の市場規模は約61億円でしたが、中国では約350億、北米では314億を超えています。今後日本は、eスポーツに関する法整備を行い、さらなる市場拡大を狙う考えです。
まとめ
国内のeスポーツ市場は、世界と比較するとまだ小さいものの、拡大傾向にあります。今後5Gの普及と合わせ法整備をすすめれば、米国や中国と並ぶ可能性は高いでしょう。また5Gが普及することで、VRを使ったゲームが開発されると言われています。
VRでは今までより没入感の高い体験を楽しめますから、今よりもeスポーツを楽しむファンが増えていくかもしれません。5Gチョイスでは今後も5Gにかかわる最新トレンドを解説していきますので、ぜひチェックしてください。