ローカル5Gも本格始動!ドコモが始めたローカル5G構築支援策とは

キャリアの5Gとは別に独自の通信環境を構築できることでセキュリティ面も安心できるローカル5Gは新たな通信システムとして幅広い分野で期待がされています。

ところがローカル5Gを利用するには免許の取得が必要であったり、その他手続きも煩雑であり、なかなかローカル5Gの構築まで踏み込めない企業も多いようです。メリット以上にローカル5G構築に立ちはだかる課題とはいったい何なのでしょうか。

そこで本記事では、ドコモがサービスを開始したローカル5G構築支援の施策の内容と、ローカル5G構築支援で解決できるローカル5G構築における課題などをそれぞれ詳しく解説していきたいと思います。

ローカル5Gの導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

ローカル5G構築支援とは

そもそもローカル5G構築支援とは何なのかというところから解説していきましょう。

ローカル5G構築支援とはその名の通りローカル5Gの構築を検討している企業や経営者等にむけてNTTドコモが行う支援策のことです。

5G無線伝送実験やパートナーとの協業、5Gプレサービスなど、電気通信事業者としての無線システム運用ノウハウを生かして支援を行いますので、自前で運用から管理をするには負担の大きいローカル5Gの構築等を支援してもらうことができます。

ローカル5G構築支援の活用方法

ローカル5G構築支援の活用シーンは以下の通りです。

①要件定義コンサル

②エリア設計

③物品調達

④免許申請

⑤工事

⑥運用

これまで通信事業者向けネットワークと無縁だった一般企業や自治体にとってローカル5Gの構築や運用のハードルは高く、突然に免許の申請が必要だ、運用もしなければならないといわれても、非常に難しいものです。

そこで、ローカル5Gを構築する企業や団体等においては、上記のシーンでドコモの支援を受けることができるようになります。

ローカル5G構築における課題とは

前述に、通信ネットワークと無縁だった企業や団体等においてローカル5Gの運用や整備は非常にハードルが高いものであると申し上げました。確かにそうなのですが、実際、『5G』という通信技術自体が最新のものですので、通信事業者にとっても模索状態の部分はあるのです。

ここからはローカル5G構築における課題や、ローカル5G構築支援で解決できる課題について解説していきます。

ローカル5G構築における7つの課題

まず、ローカル5Gの構築における課題としては下記の7つがあげられます。

①構築プロセスを管理する必要がある

②無線従事者が必要である

③調達・設置コストがかかる

④適切な周辺装置の選択が必要である

⑤カバーエリアの設計が必要

⑥免許の申請が必要

⑦その後の運用もしなければならない

まず、ローカル5Gの構築は企業や団体自体が構築プロセスを管理し、周辺装置の調達、設計、その後の運用までを行わなければなりません。Wi-Fiと違って免許の申請も必要ですし、多額のコストをかける分、利用用途なども明確にしておく必要があるのです。

中小企業をはじめ、多くの企業や団体にとっては、キャリアの5G以外にも5Gの技術を独自に構築することができるという点では画期的であるにも関わらず、なかなか導入に踏み込むことができない企業がおおいのもこのためではないでしょうか。誰もが便利で今後必要なシステムであると感じていながらプロセスの煩雑さや運用ができるかの不安などから懸念している部分があると予想できます。

ローカル5G構築支援で解決できる課題

ところが、ローカル5G構築支援を受けることで、あらゆる面からローカル5Gを構築するための支援を受けることができるので課題を解決することが可能です。

特に、ドコモのローカル5G構築支援についてはローカル5G構築支援は、ネットワークの総合的なコンサルティングサービス「ネットワークカスタマイゼーション」の中の1ソリューションという位置付けで、下記三つの課題にアプローチすることができるとされています。

①構築プロセスの管理

②調達・設置コスト

③無線品質のマネジメント

ローカル5G構築支援は、これらの課題を解決し、構築期間の短縮やコストの最適化、高品質なエリア保守をサポートするソリューション。コンサルティングから設計、ネットワーク構築、免許申請までをワンストップで対応することが可能です。

また、コンサルティングの前段階として、依頼のあったネットワークの要件がローカル5Gに適するかどうかの確認を行うことで、Wi-Fiなどその他の通信規格のほうが適していると判断すれば、無駄なコストをかけずに最適な通信環境を整えることができるようになります。コンサルティング・設計では、電波調査、建物内の配線ルートやアンテナ取り付け方法などの調査を実施しますので、そのうえで最適なアンテナ配置の設計、配線ルート案やネットワーク構成概要、必要な機器の条件などを作成することとなります。

無線のネットワークは目に見えないだけに運用プロセスなどが描きにくいものです。新しいものであれば新しいものであるほど良いということもなく、各企業や団体にあったネットワーク環境を整えることが大切です。

ローカル5G構築支援を受けるメリット

では、ローカル5G構築支援を受ける具体的なメリットはどのような事項があげられるのでしょうか。

無駄なコストを省くことができる

先ほども申し上げたように、コンサルの時点でローカル5G以外の通信規格が合う企業であれば、無理にローカル5Gを構築せずにWi-Fiなどの他の通信規格を構築することが可能です。

特に通信規格は、新しく、早いものであればあるほど良いというイメージを持ちがちですが、Wi-Fiの通信規格も最新のものが出ており、ローカル5Gを構築しなくてもWi-Fi程度で賄うことができる企業も存在します。

ドコモのローカル5G構築支援はコンサルの段階でその棲み分けをしてもらえるので無駄なコストを省くことができるわけです。

ローカル5G構築におけるプロセスを明確にすることができる

ローカル5Gの構築はコストがかかります。ですので、簡単に構築すると失敗してしまう可能性もあるので、どの場所に設置して、設置後はどのように活用するのか、そのプロセスを明確にしておかなければなりません。

ローカル5G構築支援では、プロセスの構築においても支援を受けることができるので、ローカル5Gを利用してどのようなことに活かすのかなどを明確にすることができるようになります。

煩雑な手続きを支援してもらうことができる

特にローカル5GはWi-Fiなどほかの通信規格とは違って、免許の申請が必要であったりする点が手続きの煩雑さを物語っています。要は、免許をもらわないと、ローカル5Gの構築すら当然行うことができないというわけです。

しかし、ローカル5G構築支援を受けることで煩雑な手続きについても一つ一つ支援してもらうことができるので、作業を整理しながら進めていくことができます。

まとめ

ローカル5Gは企業や団体にとって非常に便利且つ、セキュリティ性も高く注目されているシステムでありながら、独自で進めていくには様々なリスクの発生も否めない部分がありました。

その点、ローカル5G構築支援を受けることで安心してローカル5Gを構築することができる上に、ローカル5Gを構築するほどではないとされた場合には余計なコストをかけずに済む場合もあります。

新しい技術を取り込むときはその道のプロフェッショナルの支援を受けながら進めていくのが賢明な判断です。ローカル5Gの構築を検討されている方は、ぜひ支援を受けてみてはいかがでしょうか。