ドコモの「新体感ライブコネクト」はVRで最前列ライブが楽しめる!

ライブを楽しむ人々

「ライブやフェスに参加したのはいつだろう」と振り返ってみると、2020年に入ってからはほとんどライブに行けていない方が多いかもしれません。

新型コロナウイルスの影響によって、音楽イベントが開催されず、音楽業界にもファンにとっても苦しい現状が続く現在。新しい音楽イベントの形として「無観客有料配信ライブ」が始まってきています。

ドコモの「新体感ライブ CONNECT」では、音楽イベント・劇・スポーツ観戦などの幅広いエンタメに利用できると注目が集まっています。本記事ではこの「新体感ライブコネクト」の詳細や、日本のライブ事情を解説していきます。

 

新型コロナウイルスの影響で音楽事業は大打撃

2019年の音楽フェスの売り上げは、過去最高の330億円に到達し、市場規模が拡大していました。しかし、2020年は新型コロナウイルスが猛威をふるい、音楽フェスやライブツアーが次々と中止に。さらに緊急事態宣言解除後も、密閉空間に人が集まりやすい音楽イベントは自粛傾向にあります。そのため2020年の音楽フェスの売上は、昨年の1割程度になる見込みです。

(参考:音楽フェスの市場動向に関する調査結果 ぴあ総研

このまま新型コロナウイルスによる影響が長引けば、音楽業界への打撃はさらに大きなものになるでしょう。

 

5Gが音楽業界の救世主に?

人の集まりやすい音楽イベントは、規模の大小にかかわらず再開の目途が立っていません。そこで新しいライブの形として、5Gを活用した「有料配信ライブ」に注目が集まっています。

次世代通信規格5Gでは、これまでよりも大量のデータを一瞬で通信できるようになります。アーティストのライブを5Gを利用して配信することで、自宅にいながら8Kの高画質映像を簡単に視聴出来たり、VRを使ってまるで目の前でライブを見ているかのような体験ができるでしょう。

 

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ドコモが提供する「新体感ライブ CONNECT」とは

新型コロナウィルスの状況を踏まえたうえで、自宅にいながら、アーティストのライブをリアルタイムで視聴する「有料配信ライブ」が展開されています。ドコモが発表した「新体感ライブ CONNECT」(以下、新体感ライブ コネクト)は、音楽ライブをモバイル端末から楽しむことが出来るコンテンツ。5G時代を見据え、360度8K映像やVR機能、リアルタイムコメント機能を搭載しています。

 

新体感ライブコネクトの特徴

もともとライブコンテンツとしてリリースされていた「新体感ライブ」を、リニューアルしたのが「新体感ライブコネクト」です。ライブ会場に配置された360度8Kカメラの映像をリアルタイムで配信。視聴者は専用アプリ・もしくはVRゴーグルを合わせて使うことで、臨場感のあるライブ体験が味わえるでしょう。

また最大6アングルのマルチアングルライブを搭載しているため、自分の好きなカメラ視点を選択できます。

フォーメーションダンスを俯瞰できる「ダンスカメラ」や、好きなアーティストのアップ映像など追いかける「推しカメラ」など、注目したい角度別に楽しめるでしょう。。マルチアングルライブには、視聴している画面以外の映像を、低解像度にすることでデータ量と処理能力を改善するドコモの独自技術が使われています。

 

新体感ライブコネクトの登録方法

新体感ライブコネクトを利用する場合は、dアカウントの作成が必要です。ドコモユーザー以外の方でも登録できますのでご安心ください。

dアカウントの作成は、メールアドレス・ID・名前などを入力するだけなので、5分もかからずに登録を完了できるでしょう。登録が完了したら、あとは好きなライブを選択するだけです。

なおARやVRを利用する際には、別途専用アプリをダウンロードする必要がありますので、注意しましょう。

 

Virtual最前列の魅力

新体感ライブコネクトでは、アーティストをファンのつながりを重視しています。

そのためVR機能では家にいながらライブ最前列にいるような「Virtual最前列」という仕様を採用しています。人気アーティストのライブを最前列の感覚で楽しむことができるため、Virtual最前列はファンとって魅力的なライブとなるでしょう。

また、コメント機能も搭載されているため、アーティストに声援を送ることもできたり、ファン同士の交流の場としての活用も見込まれます。

 

スマホ対応VR端末の買い方

VRで新体感ライブコネクトを楽しむ場合には、スマホ対応のVR端末を購入しましょう。

新体感ライブコネクトの公式サイト、タワーレコードサイト、全国のタワーレコード各店舗などでも専用VRは販売されています。VR端末を購入したら、スマホをVRにセットするだけで、Virtual最前列を体験できるでしょう。

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これまで行ったオンラインライブ

新たなライブ方法として活用が見込まれる「新体感ライブコネクト」では、すでに大型ライブを成功させています。

2020年には人気ジャニーズグループ「SixTONES(ストーンズ)」と「Snow Man(スノーマン)」のスペシャルライブを開催。その後も乃木坂46の記念ライブや、舞台「鬼滅の刃」のキャストトークなど、話題性のあるイベントが次々に行われています。

マルチアングルライブの活用として、舞台の背景や小物などの細かい部分を見られたり、プロレスの選手視点で試合を体感できるなど、高いエンターテインメント性が認められています。

 

新体感ライブコネクトのメリット・デメリット

音楽イベントや舞台など幅広く使われている「新体感ライブコネクト」のメリット・デメリットについて解説していきます。

メリット

これまで固定カメラでの無観客ライブは行われて来ましたが、新体感ライブコネクトでは、最大6カメラから好きなアングルを選択できる点でしょう。配信中はドコモの独自技術によって、表示しているカメラ以外の映像データ容量を削減することに成功しています。自宅の4G回線でも美しい映像を途切れることなく見られるようになりました。

またライブと言えばアーティストとのコール&レスポンスやMCが魅力のひとつ。新体感ライブコネクトでは、コメント機能のオンオフを切り替え可能です。コメントをオンにすれば、リアルタイムでアーティストに応援コメントや質問が出来ますし、オフにすればライブに集中して楽しむこともできるでしょう。

新体感ライブコネクトは、アーティストとファン、ファンとファンをつなげるプラットフォームの役割も果たすことができるのです。

デメリット

5Gを活用した新体感ライブコネクトは、今後も多くのイベントが開催され予定ですが、デメリットもあります。

まだ5Gエリアは限定的なため、残念ながら全ての家庭で5G通信が行えるわけではありません。そのため4G回線を利用するため、通信速度が遅く映像が乱れたり、アプリが落ちる可能性もあります。

また8Kに対応した端末でない場合、8K映像を見ることはできませんので、従来の4Kやフルハイビジョンでの再生となります。スマートフォンやタブレットのディスプレイスペックに応じて最適化されてしまうため、画質が悪いと感じることもあるかもしれません。

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今後の音楽市場はどうなる?

新型コロナウイルスの終息が見えない状況の中では、今のままでは音楽業界の復興は難しいでしょう。今後の音楽業界の鍵を握るのが、有料配信ライブです。

2020年6月に開催された「サザンオールスターズ」の無観客配信ライブでは、3,600円のチケットを約18万人が購入しました。仕事や交通費の関係で来られないファンのために、見逃し配信を行ったり、オンライン握手会を行うなど、新たなマーケティング法も生まれています。

 

まとめ

誰もが予想できなかった新型コロナウイルスの影響で、新しい「有料配信ライブ」というライブ手法が普及してきました。

今後は5G基地局の増加とともに自宅でも移動中でもオンラインライブを楽しめる時代がやってくるでしょう。さらにVR技術が進めば、曲に合わせて背景を変更させたり、視聴者のアバターがフェス会場を歩き回るような体験ができるかもしれません。

5Gとエンタメの親和性は高いため、今後も最新情報に注目していきましょう!