5Gを徹底比較!5つの視点から5Gを比較してみた

今年から日本でもサービスが開始する5G。超高速通信5Gが魅力の一つですが、既存の4Gや自宅の光回線と比べると、どのくらいの違いがあるのでしょうか。また4Gと比較した時に、価格や対応機種の違いはどうなっているのでしょうか。5Gと同時期に発表されたWiFi-6との違いも、気になっている人もいるかと思われます。今回は5つの視点から、5Gについて見ていきましょう。
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5Gのスピードを4Gのスピードと比較してみる
高速での通信が5Gの魅力の一つですが、4Gと比較すると、どれくらい速いのでしょうか。想定によると、5Gは4Gの10倍~100倍もの違いがあると言われています。日本においてはまだサービス開始していないので、あくまで想定の数値となりますが、一つの目安となるでしょう。この速度は、最大10GBのデータをわずか1秒で送れる計算になります。
具体的に、現状の4Gにおけるキャリア別の通信速度も見てみましょう。総務省が定めた「実効速度に関するガイドライン」に基づいて計測された各キャリアの実効速度は以下の通りです。
ドコモの4Gのスピード
下り中央値 | 上り中央値 | |
Android | 208Mbps | 33Mbps |
iOS | 177Mbps | 29Mbps |
Softbankの4Gのスピード
下り中央値 | 上り中央値 | |
Android | 135Mbps | 17Mbps |
iOS | 115Mbps | 16Mbps |
auの4Gのスピード
下り中央値 | 上り中央値 | |
Android | 120Mbps | 16Mbps |
iOS | 107Mbps | 15Mbps |
次に5Gの速度を見てみましょう。すでに5Gサービスを開始しているアメリカ・シカゴの街中で行ったスピードテストでは、場所によりますが下り1Gを超えるスピードが計測されました。その他のエリアにおいても400~500mbpsのほど速さが出ています。上記で紹介した4Gのキャリア別通信速度と照らし合わせて考えると、かなりの速度であることが分かりますね。
5Gのスピードを光回線(有線)と比較してみる
次に光回線(有線)の速度と比較してみましょう。国内光回線最大手のフレッツ光、高速通信で知られるauひかり、NURO光の速度は以下の通りです。
フレッツ光の今のスピード
上り | 1Gbps |
下り | 1Gbps |
auひかりの今のスピード
上り | 10Gbps |
下り | 10Gbps |
NURO光(高速プラン)の今のスピード
上り | 10Gbps |
下り | 10Gbps |
5Gの通信速度は、下り最大で10Gbpsになると言われています。auひかりやNURO光の高速プランでは、すでに5Gの速度と同じ状況にあります。ただしあくまでも最高速度なので、実際の速度とは異なるでしょう。また関東圏など、一部のエリアでしか利用できないという状況も考慮しなければなりません。
5Gなら現在の光回線の上限であるとされる10Gbpsと、ほぼ同じスピードが期待できます。さらに将来的には、下り最大20Gbpsに達するともアナウンスされているので、期待が高まりますね。
ただし5Gにも弱点があります。5Gの周波数は、ビルなどの障害物に遮られやすいという特徴があるのをご存知でしょうか。また基地局の少なさもデメリットとして挙げられています。
「近隣にビルがある」「基地局が近くにない」という環境だと、どの程度の通信速度が出るかは未知数です。各キャリアはこういった弱点を克服するために、基地局の増大、ビームフォーミング技術の強化といった対策に乗り出しています。
5Gの価格を4Gプランと比較
5Gへスマホへの切り替えを検討する時に、気になるのが価格ではないでしょうか。価格については、各キャリアが現在採用している料金体系を踏襲すると考えられています。つまり通信量に応じて料金が上がっていくという料金体系ですね。
NTTドコモの代表は、5Gは通信だけでなくサービス、ソリューションなどを含めた融合料金になるのではないかとも語っています。この場合でも、通信量込みという料金体系になるのではないかと予測されています。
KDDIの場合は、すでに5G時代を見越した料金プランをリリースしているのをご存知でしょうか。2019年9月13日から提供開始した「auデータMAXプラン Netflixパック」です。これは「auデータMAXプラン」と「auフラットプラン25 Netflixパック」をかけあわせたようなもので、データ上限なし、Netflixが見放題という内容です。
「auデータMAXプラン Netflixパック」の月額料金は、8,050円に設定されています。しかし「2年契約N」「auスマートバリュー」「家族割プラス」「スマホ応援割プラス」など各割引サービスを適用させると、月額料金は4,880円~となります。それぞれの月額料金を比較してみましょう。
auデータMAXプラン Netflixパック
「料金プラン」申し込み翌月から6ヶ月間 | 4,880円/月~ |
7ヶ月目以降 | 5,880円/月~ |
auデータMAXプラン
6ヶ月 | 5,980円/月~ |
7ヶ月目以降 | 6,980円/月~ |
auフラットプラン25 Netflixパック
1年目 | 5,150円/月~ |
2年目 | 6,150円/月~ |
5G対応機種を4G対応機種と比較
次に5Gで使える機種と、4G対応の機種を比較していきたいと思います。2020年1月時点では、日本国内において5G対応機種はまだ発表されていません。すでに寂巣開始している海外の事情を考慮して、5G対応となる可能性の高い機種を考えてみましょう。たとえばアメリカと韓国では、以下のような機種が使用されています。
海外の5G対応機種
iPhoneXR,XS Max, XS, 8plus,X,8,Galaxy Note10, S10,S10e,Note9,S9,S9+,S8,S8Active,S8+
LG G8 ThinQ, V40 ThinQ,V35 ThinQ,V30,Motorola moto z4
海外に目を向けてみても、5G対応のスマホはまだまだ少ない状況です。この点においては、4G対応スマホの方が種類豊富でお求めやすい環境にあります。5G対応機種を見極めるポイントとしてメモリの種類で判断するという方法もありますが、正式に発表されていない以上、あまりオススメできません。実際に5Gサービスが開始された後、対応していなかったから買い替えを余儀なくされる可能性もあるからです。各キャリアにおける5Gサービス開始時期は、以下のようにアナウンスされています。
- ドコモ・KDDI・ソフトバンク:2020年春
- 楽天モバイル:2020年6月頃
お使いのキャリアのプレスリリースを待ち、正式に対応が公表された機種を選びましょう。
5GとWiFi-6を比較
5Gとほぼ同時期に、無線LANの新規格「IEEE 802.11ax」(WiFi-6)も発表されたのをご存知でしょうか。5GとWi-Fi6には似た特徴があるので、類似点と相違点を比較してみましょう。
類似点
- IPをベースにした仕組みにより多様なデータの伝送が可能
- 効率的な電波利用のため、限られたチャネルで複数ユーザーの接続を可能にする「OFDM」(直交周波数分割多重方式)を採用
- データ伝送速度ではGbpsを実現する仕様となっている
- 利用環境によっては10Gbpsでのデータ伝送も可能
相違点
- 5Gはモバイル通信、Wi-Fi6は無線LAN規格
- 5Gは通信事業者が提供するが、Wi-Fi6の周波数帯はライセンスの対象になっていないので、常に電波干渉問題がつきまとう可能性がある
現時点では、5GとWi-Fi6でユーザー側が感じるパフォーマンスの違いはほとんどないとされています。Wi-Fi6は屋内ネットワークに最適と言われており、一方で5Gは屋外ネットワークの中心になるのではないかとも目されています。どちらも多くの人にメリットを提供すると期待されています。
まとめ
今回は5つの視点から5Gを比較し、特徴をおさらいしました。
海外より1年遅れる形でのスタートとなりますが、2020年の3月には日本国内でも5Gサービスが開始します。5Gのメリットとしては、以下のような事柄が挙げられます。
- 最大通信速度が4Gの10~100倍
- 光回線の最大10Gbpsとほぼ同じの通信速度が期待できる
一方でデメリットとして、以下のような事柄も挙げられます。
- 対応端末が少ない
- 障害物に弱く、基地局もまだまだ少ない
携帯電話の通信規格は、最初からフルスペックで登場する訳ではなく、期間をかけて進化していくものであると言われています。今後は長い視野で、技術の進化見ていく必要があるでしょう。