KDDIとソフトバンクが合弁会社を設立!5Gエリアの拡大は今後どうなる?

KDDIとソフトバンクは4月1日付けで地方への5G通信網羅における共同整備のために『5GJapan』という合弁会社を設立しました。
ドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯大手3社が発表した5Gエリアについてはかなり限定的であることも話題になり、今後の5Gエリア展開に期待を寄せていたところです。5Gのエリア展開においては、4Gよりも難易度が高いとみられている中で、やはりライバル同士の協力も重要となってくるでしょう。
今回はKDDIとソフトバンクが設立した合弁会社『5GJapan』と、『5GJapan』に期待される今後の5Gエリア展開について言及してまいります。
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KDDIとソフトバンクの合弁会社『5GJapan』
『5GJapan』は2019年7月3日にKDDIとソフトバンクで合意した、両者が保有する基地局資産の相互利用と、地方における5Gネットワークの早期整備の共同推進のための合弁会社になります。
5Gネットワークの構築には、28GHz帯や、3.7GHz帯など、高い周波数を用いるため、全国での整備には膨大な数の基地局が必要になってくるといわれています。ちなみに平成30年8月の時点で、3Gおよび4GLTEなどの基地局数は全国で約86万6000基となっており、携帯電話基地局が増えれば増えるだけ私たちの通信はより広範囲に、より便利になってきました。
しかしながら、5Gでは、4GLTEなどの基地局とはまた別に1から基地局を構築していかなければなりませんので全国の整備には長期の工事と多額の投資が必要になってきます。そのためKDDIとソフトバンクの両者が基地局資産を効率的に相互利用するインフラシェアリングを推進し、5G基地局の工事設計や施工管理に関する業務を手掛けるということになったというわけです。
『5GJapan』は地方での5G促進へ
5G通信は、過疎地域における様々な支援や高齢化対策にも役立つものであるといわれています。
例えば遠隔医療、自動運転タクシーなどの交通インフラ整備、ドローンなどの活用による災害対策などで、スマホによる通信速度の向上にとどまらず、地方地域への5G展開はこうした部分への利活用の促進を見込んだものであると考えられます。
ただ、実は前述のように、5Gにはミリ波(28GHz)という高い周波数を利用するので、ネットワークの届く距離が狭いという問題があるのです。そのうえ、直進性が強いので障害物を回り込むことができないために、田舎などの地方では山などにさえぎられる可能性が高くなります。そうしたことで、都会のビル街などと同じくらいの5G基地局が必要になる場合も考えられます。
ドコモは、2020年は大都市などの大容量、高速通信を最も必要とするエリアからの導入を考えており、その後は地域創生に貢献するため、田舎や郊外での導入を考慮する動きを示しています。言ってしまえば、ドコモでは地方への5G展開が後回しにされてしまう可能性があるということです。そこで、KDDIとソフトバンクは共同で5G設備を構築することにより、地方への展開を速めていこうという考えであることが予想できます。
実際に、KDDIとソフトバンクは昨年から北海道旭川市や千葉県成田市、広島県福山市などに基地局を構築して実証実験などを行っており、それもあってか、双方ともに福山市は特にサービス開始当初から利用できるエリアが非常に広範囲でありました。
他キャリアが後回しにしてしまいがちな地方への5G展開を『5GJapan』は率先して促進していく方針です。
ドコモなど、他社の参加は?
KDDIとソフトバンクの2社が合弁会社をということで、携帯大手3キャリアのうち、ドコモは参加しないのかという疑問を持った方も少なくないでしょう。KDDIとソフトバンクの両者は2019年の合弁会社設立を合意した時点で、ドコモや楽天、あるいは地方のローカル5Gの事業者の参加については、要望があれば協議に応じるというスタンスを示しています。おそらく、単にドコモから要望がなかったということである可能性が高いのではないでしょうか。
今後ドコモやその他企業が参入するかどうかについては未だ発表はありません。
各キャリアの5Gスマホの競争はどうなる?
KDDIとソフトバンクが共同で基地局を構築するということになり、この両者のどちらかで5Gスマホを購入しようと考えている人は、結局5Gが利用できるエリアに差はなくなると予想されます。
今後、5Gスマホを購入する予定であれば、ますます各キャリアのサービス内容を比較していかなければならないといえるでしょう。家族が多い方はKDDIの家族割りを、動画をよく見る人、SNSを頻繁に利用する人はソフトバンクのSNS使い放題のプランを、ご自身のライフスタイルに合わせた選択をすることが重要です。
各キャリアのサービスプランについては下記にまとめておりますのでご覧ください。
『5GJapan』に期待される今後のエリア展開
ドコモが都市圏を中心に5Gエリアを拡大していくとすれば、KDDIやソフトバンクに期待されるのは地方への5Gエリアの展開です。
現にドコモと比べると、KDDIとソフトバンクの両者の展開は、都市部よりも地方のほうが広範囲をカバーしている状況になります。ドコモは全国500局からのスタートでしたが、ほとんどが主要都市、オリンピックで利用される施設、スタジオ等、そしてドコモショップなどからの展開となりました。一方、KDDIとソフトバンクでは、利用できる都道府県こそドコモより少ないですが、その代わり、ドコモでは利用できない地方の地域にも5Gを展開しています。
ですから、各キャリアの担当分けではないですが、サービス開始当初は、展開していくエリアを実質的に割り振ることで、全国に満遍なく5Gネットワークを構築することができるのではないでしょうか。
憶測ではありますがドコモが現段階で『5GJapan』に参加していないのも、そういった背景があるのかもしれません。
まとめ
本記事では、KDDIとソフトバンクが設立した合弁会社『5GJapan』についての解説、および、今後の5Gエリア展開について言及いたしました。
ドコモは5Gエリア展開について、首都圏から、そしてKDDIとソフトバンクについては地方を重点的にという3大キャリアの各方針によって、全国に1日でも早く5Gネットワークが張り巡らされることを願うばかりです。
3月末から順次5Gスマホの発売が始まっています。各キャリアのエリア展開状況、およびサービス内容をしっかり比較して、ご自身のライフスタイルにピッタリのキャリアを選択することも大切ですよ。