大量通信が可能な5G。Wi-Fiは果たして必要なのか?

いよいよ日本でも5G(第5世代移動通信システム)導入に向けて動いており、スマートフォンをはじめとした通信機器への5G搭載も心待ちにしている方も多いでしょう。2019年9月には携帯キャリア、ドコモが先陣を切って5Gプレサービスの開始を発表し、期待は高まるばかりです。画像検索、音声検索などが日常生活で行われている現代、Wi-Fiがつながらない場所など考えられない時代になってきています。

そんな中、4Gを遥か上回るスピードの5Gが普及すれば、そもそもWi-Fiは必要なくなるのではという疑問が生まれてきます。今回は5Gが普及したらWiFiは必要なのか不要なのかについて話ていきたいと思います。

4Gと5Gの圧倒的な速度の違い

まずはじめに、5GとWiFiの比較を進めていく前に5Gとはそもそもどんなものなのかについて軽く触れたいと思います。4G(第4世代移動通信システム)とのちがいは大きく分けて3点あります。

 

・『超高速』通信速度があがる

・『超多同時接続』一度に多数台の接続が可能になる

・『超低遅延』リアルタイムとの誤差がすくなくなる

 

一般ユーザーとして1番のメリットともいえるのが通信速度が上がるという点なのではないでしょうか。その5Gの通信速度こそ、4Gの100倍であるといい、今までとはくらべものにならないくらいのスピードが実現されるといえます。

 

また、今年2020年開催予定の東京オリンピックでは一つの場所に多くの人々が集まることが予想されます。そんな場所でも安心の『超多同時接続』。人の多い場所でも安定した通信速度でインターネットを楽しめます。

リアルタイムとの誤差がすくなくなることによって、自動運転や遠隔操作なども可能になり、5Gはこれまでのサービスでは不可能だった様々な分野に革命を起こすかもしれません。

4Gと5Gの違いは何?圧倒的な速さの次世代移動通信システムとピカピカのLTE

圧倒的にアクセスがしやすくなる移動通信型の5Gのなかで、ではWiFiという接続環境は必要になってくるのか益々疑問が高まってきます。

次世代Wi-Fi規格『Wi-Fi6』が大容量の通信をサポート

進化する移動通信システム「G」ですが、同様にWi-Fiも確実に進化を続けています。それがWi-Fiの新規格「Wi-Fi6」です。

固定回線を離れた場所などで、フリーアドレス的にデータ通信の速度制限対策に欠かせないのがWi-Fi。東京オリンピックにむけて街のWi-Fiの普及活動に力をいれていたり、はたまた防犯カメラなどにもWi-Fiが使われていたり多同時接続に欠かせないディバイス・端末として今さまざまなところで利用されはじめていきます。

そしてWi-Fiも次世代規格の標準化が進められています。

そもそもWi-Fiとは何なのか?

Wi-Fiとは、さまざまなインターネットにつなげられるパソコンやIoT端末などのを無線でインターネットにつなげるためのハブとなる機械のことです。

Wi-Fi端末さえあればインターネットにつながるわけではなく、あくまでもWi-Fiを設置する環境にインターネット通信をするための有線回線が引かれている必要があります。有線でインターネットとWi-Fiがつながり、そしてWi-Fiから発せられるWi-Fi通信電波によってさまざまなIoT端末がインターネットに接続することが可能になってきます。

Wi-Fi6とは何なのか?

Wi-Fi6とはWi-Fiで利用されている規格の世代の違いになります。Wi-Fi6で利用されるのは規格名「IEEE 802.11ax」最大通信速度「9.6Gbps」周波数帯「2.4GHz 帯 5GHz 帯」となります。つまり今までの、世代ごとに最大通信速度が改善されてきたということに他なりません。

5Gが必要となってきているのも、そもそも通信されるデータ容量がユーザーの増加、質の向上により増え続けトラフィックが今渋滞を起こしているためです。同様に自宅や会社に設置されているWi-Fiもインターネットにつながる機器が増えてきており、今までの通信規格では通信に必要なトラフィックを確保できなくなったためWi-Fi6という規格がうまれてきました。

Wi-Fi6と5Gどっちが結局今後必要になってくる?

通信速度がどちらも改善されて高速化されてきているということであれば実際にはWi-Fiと5Gどちらを利用したほうがいいのでしょうか?

利用する場所によって変わってきます。屋外で通信を希望するのであれば有線回線が必要となるWi-Fiよりも移動通信システムである5Gの利用が好まれるはずです。

一方で屋内であれば5GよりもWi-Fiを利用したほうが圧倒的に有利です。それは5Gに利用される予定の周波数によります。5Gで利用される周波数は直進性は弱いとされています。つまり障害物には弱く4Gのような形で回り込みといわれる障害物をさけることも難しいとされています。つまり障害物の多い屋内では5GよりもWiFiが好まれるというわけです。