5G割り当てのキャリアに割り振られた周波数は今後の5G市場にどう影響を与える

開設指針が平成31年4月に発表されました。この中にはどのキャリアがどのような形で審査・評価されて最終的にどのキャリアがどの周波数領域を割り当てられたのかが掲載されています。

http://www.soumu.go.jp/main_content/000613735.pdf

http://www.soumu.go.jp/main_content/000613734.pdf

今回5Gチョイスでは、各キャリアにおける割り当て内容や、この内容に記載されている各キャリアの計画内容について紹介し2020年から激化する5G市場を予測したいともいます。

5Gにおける周波数領域の4キャリア割当結果

さきに5Gの割当結果からみてみると、10個の割当枠のうち

  • NTTドコモ:3領域
  • KDDI:3領域
  • ソフトバンク:2領域
  • 楽天モバイル:2領域

と以上の結果となりました。いずれの領域も基本的には衛星通信等と共有する形の周波数帯となります。

結果だけをみた印象としてはドコモとKDDIがいずれも3枠というところで広い範囲の周波数を獲得できていると感じます。

領域をシェアすることを考えると単純に上記2社の5Gの通信速度が担保されるイメージもありますが、周波数の特徴などについても深堀してみていこうと思います。

各キャリアにおける周波数割り当て希望と獲得領域における周波数の割当希望比較する

3.7GHz帯及び4.5GHz帯

3.6~3.7GHz

3.7~3.8GHz

3.8~3.9GHz

3.9~4.0GHz

4.0~4.1GHz

4.5~4.6GHz

NTT docomo 第1希望 第2希望 第4希望 第3希望 第6希望 第5希望
KDDI/沖縄セルラー電話 第1希望 第2希望 第4希望 第3希望 第5希望
Softbank 第2希望 第1希望 第3希望 第4希望 第5希望 第6希望
楽天モバイル 第1希望 第2希望 第3希望 第4希望

 

28GHz帯

27.0GHz~27.4GHz

27.4GHz~27.8GHz

27.8GHz~28.2GHz

29.1GHz~29.5GHz

NTT docomo 第3希望 第2希望 第1希望 第4希望
KDDI/沖縄セルラー電話 第2希望 第3希望 第1希望 第4希望
Softbank 第1希望 第4希望 第2希望 第3希望
楽天モバイル 第1希望 第2希望 第3希望 第4希望

こちらの表は、どのキャリアがどの周波数帯に希望を出したのかを比較したものになります。

【キャリア別割当領域数】

  • NTTドコモ:3枠
  • KDDI/沖縄セルラー電話:3枠
  • Softbank:2枠
  • 楽天モバイル:2枠

という形になりました。今回3.7GHz~4.5GHz帯における割り当てで①~④前半の領域に希望が集中していた理由としては、⑤と⑥の領域はその間にある他無線の影響を受ける可能性があるという点から敬遠された形になります。

単純にこの要素を考えると、ドコモやKDDIは他のキャリアと比べて割り当て数は多かったかもしれませんが、無線領域の影響を受けやすい領域をどのように利用するかが必要性があるようです。

①~④の周波数領域の割当時に審査の基準となった項目および各キャリアの点数比較

今回の比較においてNTTドコモやKDD/沖縄セルラー電話は網羅的にDとE以外におけるすべての項目において評価を取っているのに対して、ソフトバンクおよび楽天モバイルに関しては特定の項目でのみの加点となっている。

ソフトバンクはAの項目での最低限の点数を獲得死す津、F.G.などにおける5Gの計画などで点数を獲得している。一方楽天に関しては、通信事業における新規参入という部分がマイナス一方、Hの項目でドコモと同じ指定周波数を利用していないことがプラスに働いている状況です。

 

28GHz帯の割当時に審査の基準となった項目および各キャリアの点数比較

こちらの比較表もほぼ前半の点数とかわりませんが、1位と2位の順位が入れ替わっている状況です。これは項目Bの該当基地局数の5000局も違うことからドコモではなくKDDIが評価順位1位を獲得したかたちになります。

一方で気になる3位と4位ですが、新規参入にも関わらず基地局数を保持している楽天モバイルは新規参入ながらも2019年の10月にMVO事業の開始にむかい確実に基地局をあつめにいっていることがこの比較からも見て取れます。

こちらがその審査時における項目に対する各キャリアの計画数になっていますが、A項目の認定から5年後における全国の5G基盤展開率に対する回答として、楽天モバイルは他社と比較しても圧倒的な5GG高度特定基地局の設置を目指していることがわかります。

楽天モバイルにおける基地局開設における予算も2025年までに6000億円かけるとしていますが、おなじ費用をNTTやKDDIは1年で消費する金額であると言及しています。この点で果たして開局における予算などは足りるのだろうかという不安もあります。

ソフトバンクと楽天モバイルに追加された付与条件とは

ソフトバンクは、2018年12月におきた大規模な通信障害を起こした事故がありました。このような通信障害などが災害時においても使える安心のおける通信事業者となることが条件として付けくわえられました。

また楽天モバイルに関しては、基地局の確実な実現とそれにともなう人員の確保、会社自身の運営安定性・信頼性を確保することが条件とされました。

ある意味日本のあたりまえの基準が高いのかもしれませんが、利用者目線でこの条件をみると当然の条件であるように感じる一方でこのような不安があるのだと感じてしまいます。

キャリア別予測5Gはこれからどのキャリアで使うべきなのか

このような割り当て状況から、では実際どのキャリアをユーザーとして選ぶべきなのでしょうか。通信の安定性を求めるのであればやはりソフトバンクやKDDIなどの通信基地局などが多いキャリアが安心します。

一方で、今回のこの5Gにおいては携帯電話だけでなく他事業者とのパートナーでの利用を考えるとNTTやKDDIに関しては、一般ユーザへの利用以外に法人向けの通信シェアがのびていくような印象を受けます。

一方でソフトバンクや楽天モバイルに関しては、条件付きといった部分からもある程度、一般ユーザー向けのサービス展開というものが増えていくことが期待できるのではないでしょうか。