東京都が世界でもっとも5G、モバイルネットワークが充実した都市に近づける理由とは

世界で今もっとも5Gのモバイルネットワークが充実している都市はどこになるのでしょうか。やはり前回いち早く契約者数が100万人をこえたお隣の韓国でしょうか?それとも、VerizonやAT&T、Motorolaなどを抱えるアメリカの都市でしょうか。まだ5G周波数はディバイスの開発を含め、どの国や都市が抜きんでて優れているということはないのではないでしょうか。
2020年からのサービス開始が待たれている5Gネットワークですが、同年におけるオリンピック開催にむけて小池都知事は「東京に最強のモバイルネットワークを作り上げていく。5Gの早期構築に取り組む」と「Tokyo Data Highway」構想を表明しました。この表明により東京都における5Gの利用はかなり5Gネットワーク世界最強に近づけるのではないかということについて今回は掘り下げていこうと思います。
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TOKYO Data Highwayによって実現される3つシティとは
今回のTOKYO Data Highwayの構想としては、今まで各キャリアのネットワークはこれまで民間が独自で整備してきていました。そこを今後は民間企業と東京都が一緒になって都内のネットワーク化を推進していくということを発表しました。
具体的には、東京都が通信キャリアの基地局設置を後押しするというもので、都が保有する場所の開放と手続きを簡素化するというものです。
小池都知事は、5Gのネットワークを都内で強化していくことは、5Gの特徴を生かしたさまざまなサービスを提供できる都市にすることができ、都内における生活の質の向上QOL(Quality of Life)をアップデートしていけると今回のTOKYO Data Highwayにおける構想について話をされました。
ではこのような都市における後援がなぜ5Gの促進につながるのかを、5Gの周波数における特性から改めて確認していきます。
5Gの弱点は障害物だから都会には基地局含め小出力基地局が必要
5Gの特徴として超高速通信である一方、障害物によわいという特性を持っています。そのため、各キャリアでは弱点を補うためにLTEのアンテナを併用していくことを発表しています。
これがいわゆるNSA(Not Standalone)方式でもあります。
先日のauの発表の中でもあったように、ぴっかぴかのLTEという表現はつまり5Gの弱い部分をより洗練されたLTEでカバーすることで通信の安定性を図る狙いがあるのではないでしょうか。
このためauは4万局の基地局を設置することを計画しています。
さらにLTEでのカバーも含め、5Gの利用には小出力基地局といういわゆるマイクロセルの設置も都市部ではかなり必要になってくるということが言われています。
5GやLTEなどの基地局を設置する際に懸念されていたこと
5Gのネットワークをより安定的に利用できるために、キャリアはauの4万局をはじめマイクロセルを含む多くの基地局の設置が求められています。
しかし、そこで懸念されていたこととしては、都をはじめとする地方自治体が所有する土地などへの基地局の申請などが窓口が多く煩雑であり、都市部における基地局設置スケジュールは遅れてくるのではないかということでした。
そこへ今回の都知事の発表によりキャリアからの基地局等の設置許可申請までの流れをスムーズにするということは、まさにこの懸念が払拭された形になります。
これにより都の保有している土地や場所に基地局設置の免許申請がスムーズになり、早い形で5Gを含むモバイルネットワークが安定的に利用できるように整備されることが予想されます。
今回東京都の発表であった基地局設置を開放する場所として、東京ビックサイトや2200kmの道路、400か所のバス停、2000haの都立公園、都営地下鉄の100駅などを発表しています。
これらの場所に設置することができるだけでも、かなり東京都の地域をカバーすることができるのではないでしょうか。
まとめ
東京都は今回の構想を含めオリンピックに向けて5Gのネットワークが構築スピードが加速していくことが予想されます。一方で地方都市にこそ必要となってくる自動運転技術や遠隔治療などの早期実現にむけて、同様に各地方自治体はどのような動きをしてくるのかが注目されます。
また、都内における5Gの都市構想が進むことによって、東京都が全国においてのスマートシティのベンチマークモデルとして広がっていくのではないでしょうか。また今回5Gにおいてローカル5Gという一般が申請をすることで電波を利用できる領域が存在します。工場や広い敷地などを持った企業や団体は、基地局を構築運営することが難しいのが現状ではありますが、今後基地局もパッケージ化がすすみ、まるで独自WiFiのように建物内や敷地内でも利用できるようになります。
東京都だけでなく、各地方自治体や企業がData Highwayを築いていくことを5Gチョイスは応援してまいります。