iPhone12は格安SIMで利用できる?

2020年10月、AppleからiPhone12シリーズの発売が発表されました。ドコモ、au、ソフトバンクと国内大手3社での価格も発表され、ますます注目を集めています。一方で近年では、大手キャリアに属さない格安SIM・格安スマホを選ぶ人も増えています。
SIMカードは格安なインターネットや通話サービスを提供しているので、スマホにかかる月額料金を抑えることが可能です。端末はiPhone、SIMカードは格安SIMを使っているというケースも少なくありません。それではiPhone12は格安SIMに利用できるのでしょうか。
今回はiPhone12で格安SIMを利用する方法、利用する際の注意点をお伝えします。iPhone12で格安SIMを使いたいとお考えの方は、ぜひ目を通してみてください。
Contents
大手キャリアの分離プランとは
大手キャリアは格安SIMサービスを提供していませんが、料金が安くなる「分離プラン」を提供しています。分離プランとは、通信サービスの月額料金とスマホの端末代金を分けたプランです。今までは通信サービス契約と、端末販売が完全に分離されていませんでした。2019年10月1日からは、端末購入の仕方も変わって分離プランが完全義務化されています。
たとえば各キャリアには、今まで以下のような端末購入を伴う通信料金の割引がありました。分離プランの義務化後は禁止されています。
・ドコモ「月々サポート」「docomo with」
・au「毎月割」
・ソフトバンク「月月割」
など
これらのサービスはすでに契約済みのユーザーなら、そのまま割引が適用されます。しかし新規契約のユーザーには適用されません。端末を購入する時には、スマホ本体価格をそのまま支払うことになります。また端末によって通信料金が異なるのも法律違反と見なされます。
月々の通信料金が安くなる
一見すると、端末代に支払う額が上がってしまったように思えるかもしれません。しかし分離プランを前提とした月々の通信料は、以前と比べると割安になっています。一台の端末を長く使う人にとって、分離プランはトータルで安くなるでしょう。また高い端末を選ぶ場合も、合計金額が下がる可能性もあります。
スマホ購入費用について
キャリアの分離プランは、新規ユーザーのスマホ購入額を長期ユーザーが負担するのをやめるという発想の下で導入されたプランです。そのため新規契約者や、機種変更時にかかる端末代金は今までより高額を用意しなければなりません。
スマホ本体をあまり買い換えない人にとって、メリットが大きく感じられるでしょう。しかしスマホを買い替える機会が多い人にとっては、デメリットに感じるかもしれません。
キャリアに支払う金額自体は変わらない?
分離プラン導入後も、結局キャリアに対して支払う金額は大きく変わっていないとの指摘もあります。そこで三社は、スマホ下取りを前提にした購入プログラムなどで緩和策を打ち出しています。端末費用、通信料、下取り価格などの合計額を見た上での判断が重要になるでしょう。
大手キャリア分離プラン比較
ドコモ、au、ソフトバンク別に分離プランの料金を見ていきましょう。
ドコモ
ギガライト | ギガホ | |
料金 | 2,980円~5,980円/月 | 6,980円/月 |
容量 | 7GB/月 | 30GB/月 |
特徴 | 通信量に応じて段階的に料金が上がる。
家族と一緒に契約すると500円~1,000円の割引が適用。 |
家族と一緒に契約すると500円~1,000円の割引が適用。 |
au
新auピタットプラン | auデータMAXプラン | |
料金 | 2,980円~5,980円/月 | 8,980円 |
容量 | 7GB/月 | 無制限 |
特徴 | 通信量に応じて段階的に料金が上がる。
家族と一緒に契約すると500円~1,000円の割引が適用。 |
データ容量無制限で使い放題。家族と一緒に契約すると500円~1,000円の割引が適用。 |
ソフトバンク
ミニモンスター | ウルトラギガモンスター | |
料金 | 3,980円~8,480円/月 | 7,480円/月 |
容量 | 50GB/月 | 50GB/月 |
特徴 | 通信量に応じて段階的に料金が上がる。家族割引なし。通話定額オプションあり(1,000円~1,500円必要) | ゼロレーティングシステムが使用できる。家族と一緒に契約すると最大2,000円の割引が適用。 |
分離プラン導入前に比べると値下がりしていますが、やはり安さに関しては格安SIMの方が魅力的です。ただし通信速度やサービスの質を重視する場合には、大手キャリアの分離プランの方が向いているでしょう。
iPhone12で格安SIMは利用できる?
iPhone12シリーズの月額料金を押さえて利用したいのであれば、やはり格安SIMがおすすめです。しかしiPhone12で格安SIMを使えるのでしょうか。疑問に思う人も少なくないかと思われます。厳密には利用自体はできますが、制限がつけられると予想されています。どういうことなのか、詳しい内容を見ていきましょう。
iPhone12を発売するのは三大キャリア
現時点で日本でのiPhone12発売を発表しているのは、ドコモ、au、ソフトバンクの大手三大キャリアのみとなっています。旧型のiPhoneなら格安SIM会社での取り扱いもあるでしょう。しかしiPhone12に関しては、現時点では三大キャリアのみです。
そのためiPhone12を利用する場合、キャリア契約しなければいけないと考える人もいるかもしれません。しかし本体さえ用意できれば、格安SIMで利用することも可能なので、ご安心ください。
動作確認が取れた格安SIM会社
基本的に格安SIMは、動作確認が取れたiPhoneでのみ利用が可能です。iPhone12を格安SIMで利用できるかどうかは、格安SIMを提供している会社により異なるでしょう。格安SIM会社の公式サイトには、動作確認が取れた端末情報が掲載されています。たとえば一例として、以下のような動作確認が取れています。
メーカー | 動作確認 |
楽天モバイル | iPhone SE
iPhone 11 iPhone 11 Pro iPhone 11 Pro Max iPhone XS iPhone XS Max iPhone XR |
LINEモバイル | iPhone SE
iPhone 11 iPhone 11 Pro iPhone 11 Pro Max iPhone 5 iPhone 6 iPhone 7 iPhone 8 iPhone X iPhone XR iPhone XS |
mineo
|
iPhone XS Max
iPhone 11 iPhone 11 Pro iPhone 11 Pro Max iPhone XR iPhone SE iPhone XS iPhone X iPhone 8 iPhone 7 iPhone 6 iPhone 5 |
ワイモバイル | iPhone SE
iPhone 11 Pro Max iPhone 11 Pro iPhone 11 iPhone XR iPhone XS Max iPhone XS iPhone X iPhone 8 iPhone 7 iPhone 6 iPhone 5s |
動作確認が取れていないと、せっかく購入したiPhone12が思うように動作しないケースも想定されるので気をつけましょう。
iPhone12を格安SIMで使うには初期設定が必要
iPhone12本体を用意して格安SIMを利用する場合、自分で初期設定を行わなければいけません。キャリア契約でiPhone12を利用する場合は、今まで使っていたSIMカードを指すだけでOKです。しかし格安SIMの場合、まずはSIMロックを解除する必要があります。たとえば楽天モバイルなら、以下のような手順でAPN設定を行ってください。
①「設定」を開いてWi-Fiに接続、モバイル通信を選択する
②「モバイル通信プランを追加」を選択する
③QRコードを読み取る
④再び「モバイル通信プランを追加」を選択して、アクティベーションを待つ
⑤副回線を選択する
⑥音声通話とデータを選択する
⑦LTE,VoLTEをオンに選択して、OKをタップする
⑧モバイルデータ通信ネットワークを選択する
⑨APN入力エリアに「rakuten.jp」と入力する
一文字でも余計な文字が入っていると繋がらないので注意しましょう。たとえば.(ドット)と,(カンマ)の打ち間違いには注意してください。
iPhone12で格安SIMを利用の場合は4Gのみの可能性も
iPhone12シリーズは、全四機種が5G通信に対応しています。しかし格安SIM会社で5G通信に対応しているメーカーは、まだまだ少ないのが現状です。5G通信を期待してiPhone12を購入検討中の人は、格安SIMでは当面4G通信しか使えない可能性を考慮に入れておきましょう。
iPhone12の端末のみはどこで購入がやすい?
iPhone12を大手キャリアで購入し、解約してから格安SIMを契約するのは少し面倒な手間が発生します。また「分離プラン」で端末代金と通信料金を分けましたが、少々割高だと言えるでしょう。
費用を抑えてiPhone12を購入するのであれば、Apple StoreでSIMフリーのiPhone12を購入しましょう。Apple StoreのiPhone12はキャリアよりも安い価格が設定されています。端末だけを手に入れるのであれば、Apple Storeはとてもお得なのでおすすめです。Apple Storeで購入したiPhone12を格安SIM会社に持っていって、契約を行うといいですね。
現在キャリアが発表しているのは、すでに予約が開始されている「iPhone 12」「iPhone 12 Pro」のみです。11月6日予約開始の「iPhone 12 mini」「iPhone 12 Pro Max」は、SIMフリー版の価格のみ掲載されています。
iPhone12mini | iPhone12 | iPhone12Pro | iPhone12Pro Max | |
SIMフリー | 64GB:74,800円
128GB:79,800円 256GB:90,800円 |
64GB:85,800円
128GB:90,800円 256GB:101,800円 |
128GB:106,800円
256GB:117,800円 512GB: 139,800円 |
128GB:117,800円
256GB:128,800円 512GB:150,800円 |
ドコモ | – | 64GB:101,376円
128GB:109,296円 256GB:123,552円 |
128GB:129,096円
256GB:142,560円 512GB:169,488円 |
– |
au | – | 64GB:103,430円
128GB:108,260円 256GB:122,435円 |
128GB:127,495円
256GB:140,750円 512GB:168,170円 |
– |
ソフトバンク | – | 64GB:110,880円
128GB:116,640円 256GB:131,040円 |
128GB:137,520円
256GB:151,920円 512GB:180,000円 |
– |
まとめ
今回はiPhone12で格安SIMを利用する方法や、注意点についてお伝えしました。
大手キャリアでは分離プランが義務化されましたが、より費用を抑えるのであれば、やはり格安SIMの方が有利と言えます。一番費用を節約するプランは、Apple Storeで購入したiPhone12で格安SIMを契約する方法です。
Apple StoreではSIMフリー版の発売も決定されており、iPhone12は格安SIMでも利用可能です。ただし利用できるのは、動作確認が取れた格安SIM会社だけなので注意してください。各格安SIM会社のサイトには、動作確認が取れた機種一覧が表示されています。今後はiPhone12も追加されていくと思われるので、確認を忘れないようにしましょう。