5Gを活用したスマートオフィスで働き方改革を

来る5G時代にむけて、5G対応スマホや対応キャリアなども次々に発表され、盛り上がっているわけですが、もちろんこの5Gの恩恵を受けるのはスマホだけではありません。
実は、5Gがもつ高速大容量通信、低遅延、多同時接続などの特徴は、現在国をあげて推進しているDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させ、社会インフラを大きく変える可能性も秘めているのです。この、DXというのは『進化していくデジタル技術を活用することで人々の生活がより良いものへと変化すること』をさしておりますが、5Gの実用化でビジネスや働き方はにはどんな変化が生まれるのでしょうか。
またスマートオフィスの実現において5Gを活用するときのポイントとしてはどのようなことがあげられるでしょう。
今回は働き方改革に焦点を当て、スマートオフィス化における5Gの活用法などについてご紹介していきたいと思います。
Contents
5G活用による働き方改革とは
5Gをビジネスに活用することは、IoTを促進させたり、更にそこへ動画やAiをうまく利活用すれば新たなチャンスやアイデアが生まれることもあります。
このように、5Gはいろいろな可能性を秘めているわけですが、現在政府が掲げている『働き方改革』にはどのような好影響を及ぼすでしょうか。ここからは5G活用による働き方改革について詳しく見ていきたいと思います。
リモートワーク、テレワークの推進
まずは、5G通信によってリアルタイムとの遅延がほぼゼロになることにより、リモートワークやテレワークなど多様な働き方ができるようになります。特に働き方改革とは、これまで同じ企業に属する者は働く時間も場所も同じであるという概念がありましたが、こうした概念からフリーになることもテーマであるとされています。しかし、2016年の時点でテレワークの導入状況は企業全体の約13.3%にとどまっています。
とはいえ、今後5G通信が普及し、リアルタイムとの遅延がほぼなくなることが実現されたとすれば遠隔での就業における指示や、ミーティングなどもしやすくなり、テレワークやリモートワーク、在宅ワークなどを取り入れる企業も増えてくるのではないでしょうか。
ストレスフリーなウェブ会議
すでに多くの企業で導入が進んでいるのがウェブ会議やテレビ会議です。これは、テレワークやリモートワークにおいてのミーティングでの活用に限らず、企業間でのウェブ商談などで利用されることもあります。
ただ、現行の4Gでは音声や映像が遅れてしまい、先方とうまく会話ができなかったり、途切れが発生することも多々ありましたが、5Gを活用することによって、タイムラグのないストレスフリーなウェブ会議、テレビ会議を実現することができるようになります。また、遠方で開催される研修や口座などを遠隔で視聴するという場合にも5G通信を活用することでわざわざ出張に出向く必要がなくなるかもしれません。
このように、あらゆる端末から場所を選ばない遠隔会議ができれば、商談においても社員教育においても移動時間の削減やペーパレスといった業務効率化が期待できるでしょう。
クラウドサービスなどの円滑化
リモートワークなどで欠かせないのが、インターネット上にデータを保存しておくことができるクラウドサービスと呼ばれるサービスになります。これらのサービスを円滑に利用できることは業務効率化に直結するため、サーバーにアクセスする際の通信環境の整備は特に重要です。
しかし、クラウド上に蓄積されたデータが膨大になればなるほど、現行の4G回線などではアクセスまでに相当な時間がかかる場合もあります。そういった場合にも5Gを活用することで円滑にアクセスできる上に業務効率化にも好影響を与えるとされているのです。
5Gで生まれるビジネスチャンス
5Gへの変遷においては、もちろんこれまでに1Gから4Gのそれぞれの道筋をたどってきたわけですが、それぞれの新たな移動通信システムの登場に伴い革新的なサービスや製品が誕生してきました。時代の流れとともに普及するサービス、製品は通信規格へさらなる高い性能を求めるため、成長のサイクルを生んでいるのです。
では、今回実用化される5G通信にはどのようなビジネスチャンスがあるのでしょうか。
5GによるIoT活用の推進も
そのうちの一つとしてあげられるのがモノがインターネットとつながることを意味する『IoT』の普及です。例えば、冷蔵庫やエアコンなど、これまでインターネットとは無縁だったモノもインターネットとつながることでその稼働条項や消費電力などのデータを収集することができるようになります。
しかし、これまでの通信規格では予想もしていなかったあらゆるモノがインターネットにつなゲラれるようになったことで、そのデータ通信量は膨大になってしまいました。そこで、より高速で遅延のない、多くのIoT化されたモノとの接続が可能になる通信システムとして5Gが求められるようになったのです。
このように5G通信が実用化されることでIoT化が促進され、従来はモノの機能や価格で競合他社との差別化を図っていた企業も、データを活用したサービスの提供が可能になります。例えば、建設機器や農業専用の機器などを販売するメーカーでは、これらをIoT化することで販売後のデータを収集して、故障による事故の防止や買い替え時期などの価値ある情報をサービスとして提供できるようになるわけです。
高度な動画技術の活用ができる
5G通信は4Kや8K映像などの高精細映像の伝送も4Gの100倍の速度で伝送が可能になります。テレビ局やYouTubeなどの映像のやり取りをおこなうビジネスでは、4G回線では困難だった4K、8Kのリアルタイム映像を生中継できるようになり、より臨場感あふれるコンテンツの送受信ができるようになります。
更に、今夏開催予定のオリンピックにおけるスポーツ観戦会場などでは、マルチアングルと呼ばれる多角的な視点からの撮影で、好きな選手や好きな方向から手元のデジタル端末で視聴できるサービスを提供する予定であるとされています。これらの撮影された映像はリアルタイムに共有できるため、大容量映像の同時通信が可能です。スポーツに限らずライブなどにおいてもこうしたマルチアングルで視聴できるサービスを採用することで、視聴者に新たなエンターテイメント体験を提供できるようになると期待されています。
Ai導入のきっかけに
これまでの記事でも何度かご説明私的ましたが、5G通信の実現化はAi技術を更に促進させるといわれています。それも、Aiはビッグデータを持って学習し、様々な機能を習得していく技術ですので、それらのデータ通信は相当膨大なものになるからです。これらは従来の4G回線などの通信規格ではデータ通信のやり取りに時間がかかっていたものの、5G通信であれば約数秒ほどで処理することが可能になります。
こうしたAi機能の発展や5Gによる通信インフラの整備は、Ai導入のきっかけにもつながる上に、新たなビジネスチャンスにつながったり、これまでの業務の効率化を手助けしたりするといえるでしょう。
5Gでスマートオフィス化するときの3つのポイント
と、このように5G通信をオフィスに活用することは働き方改革に大きく貢献するというわけですが、5Gを利用した働き方改革やスマートオフィスの実現においては下記3つのポイントを抑えることが重要です。
モビリティーサービスの活用
先ほどご紹介したようなリモートワークをはじめとした『どこでも仕事ができる環境』を整えるにはモビリティ(機動性)の高い端末の確保が不可欠です。スマホはもちろん、最近ではSIMカードを搭載し、データ通信を行うことができるSIMPCの普及も広がってきていますので、これらの導入を検討するのも良いかもしれません。
ただ、5G対応のスマホがあればPCとのデザリングで問題なくPCにも通信環境を整えることができる場合もありますので、双方どちらをとるか会社の方向性などを考慮しながら検討していく必要があるでしょう。
コラボレーションツールの活用
更に、離れた場所で仕事をしていても企業自体の目線を共有したり、チームの生産性を高めたりするには、離れたところにいるそれぞれの従業員がコラボレーションしやすいツールが必要になってきます。例えば『office365』や『G suite』など、クラウド上で情報共有ができるコンテンツを利用すればチーム全体の共同作業を劇的に効率化することができます。
セキュリティ対策
ただ、こうしたツールを活用する上で欠かせないのがセキュリティサービスです。スマートフォンやPCは紛失したり盗難に合わないような対策はもちろん必要なのですが、紛失や盗難に合うことを前提にリモートでのロックやデータ消去が行えるサービスを導入しておく必要があります。リモートワークなどの普及により、社内と社外の境界線が明確ではなくなり、モビリティ化で様々な場所からのアクセスが可能になったことで、ファイアウォールでネットワークを守っていれば良いというわけではなくなってきています。万が一不正なルートでアクセスがあっても侵入を防ぐIDのセキュリティが重要になってくるということです。
まとめ
さらなるIoTの普及や働き方改革など、時代の流れに沿うように開発が進められている5Gサービスの商用化もいよいよ間近となりました。働き方改革を目指す企業にとっては欠かせないサービスとなることでしょう。
更に最近ではコロナウイルスなどの感染症の影響により、テレワークや在宅ワークが推奨され、対策を急いでいる企業も存在します。いずれにせよ、5Gが今後企業のスマートオフィス化や働き方改革はもとより、ビジネスチャンスを広げていくきっかけになることは間違いありません。
ぜひ、今のうちから5Gの活用方法についての知識をたくわえ、今後の生かしていってみてはいかがでしょうか。