世界における5Gの覇権巻き返しをはかるファーウェイの動きと世界の反応

中国のファーウェイと聞くと中国とアメリカの5G戦争というワードをついつい連想してしまう。中国のファーウェイのCFOが当時対イラン制裁に違反した疑いでカナダのバンクーバーで逮捕されました。さらには米国は、米国本国はもちろんのこと日本や欧州にもファーウェイの通信網や商品を禁止するよう伝え、日本はそれに応じています。
5G技術では最先端を走っていたファーウェイでしたが、その結果アメリカや韓国などに遅れ5Gを展開する形になっていますが、欧州でのサービス展開をはじめ中国国内でも着実に同社の5G網を広げているようです。
今回は、この5Gの今の動きとそれに対する各国の動きについてご紹介したいと思います。
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初の5Gスマホすでに予約100万台が確定している事実
先日韓国で、サムスンの5G契約利用者が100万人をこえたと記事にしましたが、すでにファーウェイの5Gスマホにおける予約者数は100万人を超えるとされています。
価格はサムスンのGalaxy note 10よりも4万円ほどやすい約9万3千円の価格で中国で予約販売が開始されましたが、8/15日時点で予約台数が100万台をこえているという報道がありました。
また同業の中興通訊(ZTE)も8/5に5G対応のスマホを販売しており、ファーウェイは9月に別途、折り畳み型の5G対応スマホ「MateX」も発売する予定とのことで、今後中国における5Gの伸びは世界のどこよりも早い予感を漂わせています。
基地局出荷数が累計で20万件を突破している現在
先日KDDIの発表会において、4万台の基地局で対応していくという話をしていますが、その5倍の数の基地局をすでにファーウェイは自国だけでなく世界への出荷しています。
5Gの基地局の建設予定として、日本ではKDDIの4万台がもっとも多い計画の一つとして上記記事でも紹介していますが、ファーウェイはすでに欧州やアジアにむけて20万件をこえる5Gの基地局を出荷したと2019年9月3日に発表しました。
独自OSにて動くハーウェイの5Gスマホ
中国とアメリカとの国交問題などのからみも少なからずあるのでしょうが、国内需要やスマートTV向けのOSとして開発されていたファーウェイオリジナルのOS「Harmony OS」というスマホ向けOSを今回の5Gスマホには搭載しています。
現在のスマートフォンの市場としては、iOSとAndroidいずれかのOSで動くものが主流です。
今回、ファーウェイはオリジナルのOSを開発し、いつAndroidが使えなくなったとしても利用できるよう準備をとの問えているようです。
ファーウェイが5Gを活用したARクラウドを発表
上記の映像がそのPR動画ですが、これをみるとまさにARではやったポケモンなどの世界観がそのままの世界にて再現されるようなものです。
映像内ではスマホを片手にAR機能を通して町をみることで、町の情報をネット検索をすることなく確認することができています。
今後のこのサービスはウェアラブルなものになり、グラス系のディバイスも接続できるサービスになるのではないでしょうか。
現実とバーチャルが同一となるサービスがまさにAR技術であり、このようなクラウド型にすることにより、ネット上の情報をARを通してみることでよりリアルになっていくことは間違いないはずです。
基盤としては粗削りな5G端末ではあるが、基地局アンテナ技術としては最高の設備
日経ビジネスにおいて30年で売上高1000億ドルもたたきだしているファーウェイの技術力について言及している記事があったので紹介していきたいと思います。
この基盤を分解した技術者はねじが多いと指摘していますが、配置されている半導体を多く導入してきておりPoP実装という最先端技術にて作られていると話しています。
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/special/00208/?P=2&mds
スマホ端末そのものの開発力がありながら、さらに基地局などの技術においては世界最先端であると指摘しています。事実すでに基地局を世界に対して20万局も出荷しているという事実からもかんたんに想像がつくのではないでしょうか。
イタリアで特別権を行使されファーウェイへの規制が強化
ロンドンではすでにファーウェイの基地局や5Gディバイスをつかってサービス展開がされていますが、まだ5Gのサービスが展開されていないイタリアでは、コンテ新政権が2019年9月5日に、規制を強化するということで特別権を行使している。
具体的な情報というものはあまり入ってきてないが、政治不安で揺れているイタリアですが、巨額の投資を予定していたファーウェイの参入を妨げる理由はそこにどのようなものが存在するのでしょうか。
まとめ
アメリカからある意味5G包囲網のように世界からはじき出されそうになったファーウェイですが、その技術力と販売力により世界への影響力を取り戻しつつあります。そしてその技術や価格帯については高価な5G端末には手が出せないでいるミドルクラスの消費者ニーズをうまくつかみマーケティング力にて5G市場において覇権をにぎりつつあるようにさえ感じます。その結果としてイタリアからの規制強化などからも見られるように同社に対する風当たりはアメリカ日本を含む他の国からも強くなる中、どのように展開していくのでしょうか。