ドコモが『ギガホ』を発表。使い放題な5Gも可能になるのか

いよいよ超高速通信を実現する5Gの商用化が近づいてきました。5Gは大容量で高速な通信が可能になる分、今後ますます動画やSNSの視聴が増えてくことが予想されています。おのずと通信容量も沢山使ってしまうことになってしまうでしょう。そこで、通信制限にかかってしまわない為にも、『使い放題が可能になるのか』というところについて気になっている方も多いと思います。
特にドコモにおいては、昨年末に月々の上限を60GBに増量した『ギガホ』を発表しましたが、5G通信が商用化しても、このような使い放題のサービスは提供されるのでしょうか?また、使い放題になった場合の料金体系はどのようになるでしょうか?
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ドコモが発表した『ギガホ』とは
まずはドコモが発表した『ギガホ』とは一体どのようなサービスなのかというと、いわゆる通信容量の使い放題プランです。
使い放題といっても、一応一か月に60GBまでの制限はあります。ですが何故これらのサービスが『使い放題』といわれているかというと、仮に60GBまで達してしまったとしても1Mbsの通信は引き続き利用できるため、事実上の『使い放題』と言えるからです。
では、この1Mbpsがどのくらいの速度なのかというところですが、通常であれば通信制限にかかると128Kbpsの通信しか行うことができませんでした。多くの方がご経験があると思いますが、128Kbpsの通信速度では、サイトの閲覧、音楽アプリの再生はほぼ難しい状態です。
しかし、1Mbpsの通信速度があればサイトの閲覧やSNSの視聴、音楽アプリの再生などはほぼ問題なく、快適に行うことができます。
このことから、今回ドコモが発表した60GBの増量キャンペーンのギガホは実質的な『使い放題』とされているということです。また、60GBの増量キャンペーンの終了時期は未定とされており、当面の間はこのサービスを続けていくと見られています。
ドコモ吉澤社長が5Gの料金プランについて言及
5G通信の商用化を目前に、このようなサービスに踏み切ったドコモですが、5G通信が実際に商用化された場合もこのような使い放題プランの継続や料金の据え置き等はあるのでしょうか?
料金は現状より少し高くなる
NTTドコモの吉澤和宏社長は日経×TECHのインタービューにおいて、5Gの料金体系については、現状まだ決まっておらず、これから決定するが、現状よりも少し高くなるとの見通しを示しました。ただ、これらの詳細に関してはサービス開始まで発表されない可能性が高いですが、料金据え置きはほぼないと言え現状より高くなるのが濃厚だといえるでしょう。
ギガホの5G版が有力説!
とはいえ、5G通信が普及すると冒頭でも申し上げたように、これまで以上に動画やSNSの視聴が増えてくることが予想されます。更には5Gを活用した新サービスなどがますます流通していくことがかんがえられ、インターネットを利用してスマホ片手でなにもかもが済んでしまう世の中が実現されるかもしれません。このように屋内外いろいろなところで常にインターネットを利用していると、スマホの通信制限はすぐにきてしまいます。
そこで利用したいのが『ギガホ』などの使い放題サービスです。少々値段が上がろうとも、通信制限のストレスには勝てないという方も少なくないのではないでしょうか。
この、使い放題サービスについて吉澤氏は、ギガライトプランのように利用したデータ量に応じて料金が上積みされる形ではなく、『ギガホの5G版』のようなものになると言及しています。ただ、完全無制限にできるかどうかは分かりませんが、もはや通信制限を区切ってもあまり意味がないとも述べており、使い放題プランが実現されれば『ギガが足りない問題』も解消につなげることができるでしょう。
『携帯電話回線』による半固定回線としての5Gの利用
更に、近年こうした『ギガホ』などのギガ使い放題プランサービスが各社で展開されていることにより、近年では、単身者を中心とした若年層の間では『自宅に固定のインターネットを引いていない』という人も増えているのだそうです。
とはいえ、その人たちが『スマホしか持っていない』という訳ではありません。パソコンやゲーム機、タブレットなどで使うネット回線を『携帯電話回線』で済ませているのです。これらが実現できるのは『ギガホ』などの使い放題プランがあるからで、低価格かつ工事も不要なため、このような形が広がってきています。特に、5G時代には『家庭用回線』のニーズを5G回線が置き換える可能性が高いとも言われている程です。
もちろん、これは単身者であるから60GBや30GBで事足りるといったことが実現できるわけで、大人数の家族においても5Gがあるから光回線が不必要であるかといわれれば決してそうではないのですが、前述のような傾向がある以上、『半固定回線としての5Gの利用』のニーズは間違いなく大きくなると言っても過言ではありません。
実は、すでに5Gが普及している海外においては、いわゆるスマホ用より、『半固定回線』としての利用例が多いのだといいます。
各社5Gも使い放題になる可能性はあるのか
このように、5G商用化に向けて、ますます『ギガホ』などの使い放題プランのニーズが高まってきています。
実際にドコモの吉澤氏が5Gのギガホの料金体系の参考としてあげた韓国の携帯キャリアKTは、スマホ向け世界初の5Gサービスを昨年4月に開始しました。サービス内容は、月8万ウォン(約8000円)で、韓国国内のデータ通信が無制限となるほか、185カ国において国際データローミングが100kbpsで使い放題になるというものです。
また、ドコモの他、国内三大キャリアの1つでもあるソフトバンクにおいては、5Gサービスの使い放題について、日経×TECHのインタビューで『5Gが商用化すれば現行の50ギガバイト(ウルトラギガモンスター+)の容量ではすぐに足りなくなるのは間違いなく、定額使い放題の方向で検討している』としています。
5G通信が普及した際に、更にインターネットの需要が高くなることや、ドコモやソフトバンクなどの大手2社において、『使い放題サービスを検討している』との言及があることから、5G商用化後も『使い放題な5G』がそれぞれのキャリアにおいて展開されるのは間違いないといえるでしょう。
ただ、5Gの使い放題プランの料金体系や、プラン内容はそれぞれ検討中ではありますが、先行でサービスが開始した韓国の例や、現状の各キャリアの使い放題プランの料金体系を指標として順次決定していくのではないでしょうか。
まとめ
日本でも5Gスマホのリリースが発表されたこともあり、ますます5Gへの期待が高まっているところです。5Gスマホが発売されれば、いよいよ日本でも普及が広がっていくことが予想されますが、これらの5Gスマホや5Gを活用したサービスだけが先走っても通信インフラなど5Gを利用する環境が整っていなければ意味がありません。
こうした5Gスマホや5Gを活用したサービスをより多くの人に利用されるよう、5Gの使い放題プランも、5G通信普及に合わせて徐々にサービスが開始されてくるのではないでしょうか。
また、5Gの使い放題プランのサービス開始や、通信インフラのさらなる整備により、『速度制限』『通信制限』といった言葉も過去の言葉になる可能性もあるかもしれません。