5Gを利用した遠隔監視システムとは

防犯カメラや監視カメラは、Wi-Fiなどの通信回線に接続することで電子デバイス上で遠隔視聴することができるなど、いつでもカメラの映像を確認できるメリットがあります。
そしてその通信技術も2020年3月末から、携帯キャリア3社から5G通信サービスが始まるなど、脚光を浴びているところです。この5G通信は、モバイルだけでの利用にとどまらず、工場やオフィス、エンタメ、農業、医療等様々な分野に革新を起すといわれております。
防犯カメラや監視カメラなど、監視システムへの活用もその一つです。監視システムに5Gを利用することで、どのように利用され、どのように利便性がアップするのか気になるところでしょう。
本記事では、5Gを利用した監視システムはこれまでとどのような違いがあり、監視システムの垣根を超え私たちに与えられるメリットとはどのようなことがあげられるのか、解説してまいります。
Contents
従来の監視システムと用途
従来までの監視システムといえば、防犯カメラおよび監視カメラ等にSDカード等を差し込んで置き、そのSDカードに映像を保存していくことで、なにかあったときに見返したり、Wi-Fiに接続して現在の状況をテレビ画面などで確認したりするのが一般的でした。
いわば、何かあったときのために証拠を残すことができるように録画をしておくというのが防犯カメラや監視カメラの一般的な考え方であったということです。
その用途といえば、
①店舗内の万引きなどの犯罪対策
②街角へ設置することによる犯罪対策
③駐車場などへ設置することによる違反駐車防止対策
④営業時に金銭の取引にミスがあった場合の事実確認のため
等があげられます。
事が起こってしまった後、もしくは起こっているときに映像を確認することで犯人を突き止められる、これが従来の監視システムの用途と防犯対策方法です。
ドコモが展開する5Gを利用した遠隔監視システムとは
このように、映像にその現場を残すことは証拠にはなりますが、その現場を記憶してくれるだけで、その場で実際の犯人突き止めには至らない可能性も多くあります。
そこで、よりリアルタイム性を追求し、その場で犯人確保に至れるよう助けるのが5G通信になります。5Gは、現状多くの人が利用している4G回線と比べて、約100倍の速度の高速通信、10倍のデバイスの同時接続、リアルタイムとの誤差はほぼ0となるとアナウンスされています。
それらの5Gの特徴を生かすことで、よりリアルタイム性のある監視システムを実現することができるというわけです。
まずは、ドコモが展開する自動運転車の実現に向けて開発が進められている、5Gを利用した遠隔監視システムをご紹介していきましょう。
自動運転車の実現に向けた遠隔監視システム
自動運転車の実現には、事故を防止するため多くの監視システムが必要になるとされています。万が一の事態が起きたときに、自動運転車の場合は事故の責任の所在を突き止めることが難しい為に、事実確認やそもそもその事態を起さないよう、無数の監視システムを駆使しなければなりません。
ドコモが開発している遠隔監視システムは自動運転車で万が一の事態に備えて、自動運転車で撮影されたリアルタイム映像を5Gネットワークを通じて監視センター側に配信することができるものです。5Gを用いることで、車両から見た複数報告の高画質映像を低遅延で監視センター側に伝送され、不測の事態へ迅速な対応が可能になります。
ドコモの5G監視カメラを生かした他展開予定サービス
ドコモは『監視カメラ』の切り口から、防犯面に限らず生活の安心安全、そして生活を豊かにする5Gを、今後さらに多く展開していく予定です。
例えば、5Gの無線伝送技術を生かしたサービス創出に向けて、ドコモとプライドシステムは顔認証技術を応用した各種イベント会場向け顔認証自動撮影システムも検証しています。
5Gを利用することで、監視カメラの垣根を超えた新たなサービス展開から目が離せません。
5Gの活用で利便性が増す監視システム
このように、5Gの特徴を最大減に活かすことで、監視カメラは監視カメラだけでなく、いろいろな用途で利用することができるようになります。
監視カメラに5Gを利用することで、その『監視カメラ』はどのように活躍の場を広げていくのか、ここからはそんな話をしていきます。
遠隔操作が可能になる
先述に、5Gは『リアルタイムとの誤差はほぼゼロになる』と解説いたしました。これはどのくらいのものかといいますと、例えば海外の名医が日本にいるがん患者の手術を遠隔で行うことができるくらいの繊細かつ精密なもので、各分野に『遠隔操作』といった面で革新を起すとアナウンスされています。
監視カメラなどでも、犯人は一瞬で逃げることができるため、怪しい人物を見つけて取り締まりに現場に行った時にはすでに逃げられているといったこともあるかもしれません。
その点、リアルタイム性のある情報を受け取り、そのまま遠隔操作で出入口をふさいだり、店内スタッフへの情報配信システムで異常検知の情報を流したりすることで、より迅速に対応することができるようになります。
マーケティングに役立てられる
防犯対策だけでなく、5Gは大量のデータを収集し、保存をしたり、Aiシステムと連動することで大量のデータを分析したりすることができるようになります。
小売店やスーパー、百貨店などの店内に監視システムを設置し、システム上で売れ行きや在庫情報などの大量のデータを分析していくことで、どの商品が売れて、どの商品が売れにくいのかなどを知ることができ、効率的なマーケティング戦略の実現に役立てることができます。
これが俗にいうAiカメラとされるもので、Ai技術のさらなる発展と共に今後導入する企業はますます増えていくことになるでしょう。
無人店舗の実現ができる
前述に解説したAiカメラは、アメリカに解説された無人スーパー『AmazonGo』でも200台近く設置されているものです。在庫情報や売れ行き分析はもちろんのこと、万引き等を目的とした怪しい人物を見つけると、Aiがその人物を検知し、追って記録していくことができます。
そして、最後出ていくところでシステムがリアルタイムで連動し、道をふさぐことができるようになるので、無人店舗の実現に有効的であるとされています。
まとめ
このように、監視カメラや防犯カメラなどの監視システムは今後、5Gを利用することで、『防犯のため』『監視のため』といった垣根を超え、様々な分野で活躍することになるのではないでしょうか。
特に、今後は国を挙げてデジタル化が推進されていることもあり、5GやAi技術を利用して業務効率化やオンラインの利用、デジタルの活用を行っていく企業は増えていくことが予想されます。
監視システムもそのうちの一つです。一台導入しておくだけで、今後5Gを利用できるエリアが広がった際に様々な用途で活躍させることができるはずです。