5Gスマホの通信料は月々いくらになるの?気になる5Gの利用料金をリサーチ

先日シャープやソニーなどの国内モバイルメーカーからの5G対応スマホの発売発表が相次ぎ、ますます5Gスマホへの期待が高まっています。

そこで、気になるのが、5Gスマホの利用料金ですよね。4Gのスマホに比べて、5Gスマホは通信速度が早くなったり、沢山のデバイスを同時にインターネットに接続出来たり、これまでよりもインターネットが快適に利用できるようになるとされています。

このように、通信サービスが充実する一方、料金がべらぼうに高くなってしまうのではと不安に思っている方もすくなくないのではないでしょうか。

今回は、5Gスマホなどの5Gサービスをすでに提供している韓国や中国の料金体系の例から、日本の5Gスマホの利用料金を予測していきます。

5Gスマホは4Gと比べて何が変わるのか

5Gスマホは4G回線のスマホに比べて、通信サービスが充実するとアナウンスされていますが、まずここでは5Gスマホになることで実際何が変わるのかという点について再度まとめたいと思います。

通信速度が4Gと比べて10倍になる

現在4Gの最大通信速度は、0.1~1Gbpsであるといわれています。それにくらべて5Gは10倍ほど早く、最大10Gbpsになると言われています。これは2時間の映画のダウンロードに従来の回線速度で30分かかっていたものが、単純計算で3秒で完了するぐらいのスピードです。

このように、これまで多くの方が経験したことがあるであろう、動画コンテンツ再生時の『ローディング時間』がほぼなくなるのでストレスフリーに楽しむことができるようになります。YouTubeやティックトックなどの動画配信サービスの市場が今後、ますます拡大していくといわれているのも、この為です。

同時にネット接続できる台数が100万台になる

4Gの同時接続台数は約10万台/k㎡でした。しかし、5Gはそれの10倍にあたる100万台/k㎡になるため、沢山の人が集まる場所でインターネットを利用したとしても通信の混雑がほぼありません。

これまで、帰宅ラッシュの時間帯や、ライブなどの大規模イベントでは、大人数が同時に通信を利用するため、つながりにくく速度も遅くなってしまうといった経験をしたことがあるという方も多いと思います。それも、5Gになるとつながりにくさはなくなり、速度も安定するようになるというわけです。

通信遅延が4Gの10分の1に

5Gでは、通信遅延を4Gの10分の1である一ミリ秒に抑えられるといわれています。通信遅延とは、たとえば生中継等で音や映像の遅れによって会話がうまくいっていないという場面を見かけることがあると思いますが、そのように、データを送信した時間と、相手が受信した時間とのずれ幅を表すものです。

この『通信遅延』がほぼ0になることで、リアルタイム性が増し、遠隔地からのスポーツ観戦や、ゲーム対戦などにおいてさらなる臨場感を体験できると期待されています。

韓国と中国の5Gスマホ料金体系

高速で大容量の通信が可能になったり、同時に多数のデバイスを接続できたり、リアルタイムとの誤差がほぼなくなったりするなど、5Gの通信サービスは相当な充実感のあるものです。

このサービス内容から、4Gと比べて料金どのくらい上がるのかというところが最も気になるところですが、日本では未だ公式な5Gスマホの利用料金は発表されていません。

ここからは、実際にスマホの5Gサービスが開始されている韓国と中国の料金体系の例をご紹介いたします。

韓国の5Gスマホの月額料金体系

韓国の主要キャリア『KT』の5Gプランには以下の4種類があります。

①ベーシックプラン・・・韓国国内の通信が無制限。世界180カ国以上の通信が100kbpsで使い放題

料金は、月に8万ウォン。(約8000円)

②スペシャルプラン・・・ベーシックの内容に加え、本体の保険とタブレットが利用可能。料金は月10万ウォン。(約1万円)

③プレミアムプラン・・・スペシャルの内容に加え、世界180カ国以上の通信が3Mbpsで使い放題。料金は月13万ウォン(1万3000円)

④5Gスリム・・・8GBまでの通信制限がある。8GBを超えると、1Mbpsで使い放題に。料金は5万ウォン。(5000円) ちなみに日本の速度制限後の通信速度は128kbpsです。

基本的に5Gの使い放題プランですと8000円前後といったところでしょうか。ただ、韓国では4Gエリアと5Gエリアの区別はなく、いずれのエリアでも無制限でデータ通信が利用可能となっていますが、デザリングで利用可能なデータ通信量に関しては上限があり、上限値によって異なる料金プランが設定されている場合もあります。

中国の通信大手三社による5Gプラン

一方中国の5Gプランの料金体系に関しては、中国メディア『毎日経済新聞』の昨年10月の報道により、チャイナモバイル、チャイナユニコム、チャイナテレコムの通信大手3社による料金体系が発表されました。各社とも、通信速度による価格設定は、5Gプランの今回が初めてであると言います。

チャイナモバイルの通信速度は、ベーシックが最高300Mbps、プレミアムが最高500Mbps、ハイスピードが1Gbpsの3段階にわけられています。それらは、通信速度によって価格が変動しますが、一番リーズナブルな128元(約2000円)のプランでも、データ通信量30GBと、音声通話200分が含まれ、最高額の598元のプランになると、データ通信量300GBと音声通話3000分が含まれるようになります。

一方チャイナユニコムの場合は、4Gプランの料金体系と大差はありません。料金は5段階で、データ通信量30GBと音声通話500分が含まれた最安プランでも129元(約2000円)、データ通信量100GBと音声通話1500分が含まれた最高額のプランでも299元(約4600円)となります。

また、チャイナテレコムの5Gプランは129元(約200円)と599元(約9300円)の2種類です。129元のプランはデータ通信量30GBと音声通話500分、599元のプランではデータ通信量300GBと音声通話3000分が含まれるようになります。

中国の5Gプランとしては基本的に2000円から9000円程度といったところでしょう。最安値の2000円のプランでも30GBのデータ通信量が含まれていますので、5Gプランとしてはかなり安めであると言えるのではないでしょうか。

日本の5Gスマホにおける5G通信サービスの料金体系を予想

韓国の5Gプランは約8000円程度、中国は2000円から9000円程度とのことですが、アメリカもまた7000円から10000円程度が相場のようです。

これらの5Gサービス先進国の料金体系の情報と、現状の日本の4G回線の料金プランなどを参考にすると、日本での5Gプランも8000円から9000円程度となるのではないでしょうか。

特に、NTTドコモ吉澤社長は、2020年1月30日に開催された四半期決算会見において、5Gの料金について質問された際、『4Gプランより少し高くなるが、5Gだから大幅に高くなることはない』と回答しました。また、プランの内容についてもデータ通信無制限プランや使い放題プランが濃厚であると答えています。現在のドコモにおけるギガホなどの使い放題プランは約7000円程度です。

また、KDDIが現在提供するデータ通信無制限プランも8000円から9000円ですので、KDDIが仮にこのまま5Gにおいても定額でデータ通信無制限サービスを提供した場合、毎月8000円から5Gサービスが利用可能となります。

これらのことから、日本においても韓国や中国の料金と比較してもそれほど大差のない、料金で提供されることになるでしょう。仮に5Gのプレミアムサービス料金を徴収するとなった場合は、高く見積もったとしても毎月10000円以内に収まるのではないかと想定できます。

また、5Gの商用化において、スマホなど一般向けに提供されるものから5Gサービスを普及させていきたいモバイル各社は、5Gの利用料金を4Gに比べてあまりにも高く設定していまうと、思うように5G通信が普及しないといったことも懸念されることから、べらぼうに高くなってしまうなどといったことは考えにくいといえるのではないでしょうか。

まとめ

今回は、すでに5Gスマホの販売や5G通信のサービスの提供が開始されている中国や韓国を例にあげ、日本における5Gプランの料金体系の予測を行いました。

すでに5Gサービスが開始されているそれぞれの国の料金体系を見ても、5Gスマホの利用料金は4Gのプランと比べて極端に高いわけではありません。

また、ドコモの吉澤社長は5Gの料金プランを設定するにあたって、すでにサービスが開始している国の料金体系を参考にするとも述べていますので、日本でも8000円から高くても10000円ほどで5Gの利用ができることとなりそうです。

日本国内のメーカーも次々に5Gスマホの発表をしていますが、今春の5Gスマホ発売に向けて料金体系も順次公式発表されていくのではないでしょうか。

よくネットを利用する人、動画を視聴したりアップロードしたりする人は、5Gスマホが大いに活躍するかもしれませんね。