5Gスマホにおける8K映像のメリット・デメリットとは

アメリカや中国で先行で発売していた5G対応スマートフォンが、ついに日本でも2020年3月から発売されました。
5G通信では、これまで以上に高速で安定した通信が可能となっており、従来2時間かかっていた映画のダウンロードも、3秒で行なえるなど通信技術の向上が伺えるでしょう。またスマートフォン端末自体のスペックも向上しているため、高画質な8K映像の撮影も可能です。
本記事では、8K対応の5Gスマホの紹介や、8K映像のメリットデメリットを紹介していきます。
Contents
8K対応の5Gスマホ
現在日本で販売が相次いでいる5Gスマートフォン。どのメーカーの機種もフラグシップ級の機種が並んでおり、いかに5Gに注力しているかが伺えます。
ユーザーがスマートフォンに求める性能の1つに「カメラ機能」を挙げる人も多く、各メーカーではより高画質な映像が簡単に撮れるスマートフォンを展開しています。その中でも5Gという高速通信が可能となった現代では、8K映像が撮れるスマートフォンが人気。今後は「5G+8K」が定番となってくるでしょう。
以下で「5G+8K」対応のスマートフォンを紹介していきます。
AQUOS R 5G
「AQUOS R 5G」は、国内メーカー初となる8K映像の撮影に対応したフラグシップ級のスマートフォン。
8K動画撮影の際には広角レンズを用いて、今までにない大迫力の映像を撮ることが出来ます。従来のフルハイビジョンでは表現できなかった、逆光時の撮影やズーム撮影でも、肉眼で見ている世界と変わらないような映像を撮影できるでしょう。
8K映像は精密な映像が撮れる分、データも莫大ですから、AQUOS R 5Gでは、注目したい被写体を自動でズーム・追従する「フォーカス再生」機能を搭載。公園を走る犬の動画も、犬の動きに合わせて余計な部分をトリミングしてくれるので、データ容量が削減可能です。
Galaxy S20 5G
サムスンが提供する人気スマートフォン「Galaxy」シリーズでも、5G対応端末が登場。Galaxy S20 5Gのカメラは超広角・広角・望遠の3つのレンズが搭載されており、中でも望遠カメラは、30倍ズームが可能なので、距離のある撮影でも難なく行なえます。超広角カメラを使った8K撮影では、これまでにない繊細さと躍動感を表現できるでしょう。
さらに、動きの激しいゲームや動画では、物体がブレたり、色が混じったりする「残像感」が問題でしたが、Galaxy S20 5Gは、独自のディスプレイを搭載して、より残像感なくスムーズな動画が楽しめるようになりました。
8K対応のメリット
そもそも「8K映像」とは約8,000の解像度をもつハイグレード映像。従来スマートフォンに搭載されていたフルハイビジョンの約16倍の性能をもっているため、今までよりも段違いに美しい映像を楽しめると話題になっています。
本物と見間違えるほどの高画質を実現している8K映像のメリットについて、以下で後生迂回していきます。
より精密な表現が可能
従来のスマートフォンの動画撮影では、解像度が足りず動画がのっぺりとしてしまう事がよくありました。
しかし8K撮影であれば、ビルの1枚1枚の窓をくっきり映したり、赤ちゃんの小さな目やうぶ毛さえ表現することができます。プロが一眼レフカメラで撮影したかのような精緻な表現を、スマートフォンで行なえるのは嬉しいですよね。
ズームしても画像が荒くない
スマートフォンで遠くにある被写体をズーム撮影すると、画質が荒くなってしまうこともあったでしょう。8K映像は、細かく色を表現しているので、運動会で子どもをズーム撮影するときも、画像が荒くならずピッタリとピントを合わせられます。
また8K撮影されている映像は、撮影後にトリミングしても8Kのままなので、容量を軽くしながらもクオリティの高い映像を残せます。
ポートレート撮影がさらに美しく
最近のスマートフォンカメラには、ポートレート機能と呼ばれる被写体の周りをボカしてくれる機能が搭載されています。しかし被写体と背景の境目があいまいなため、被写体までボケてしまうという問題がありました。
8K対応のスマートフォンには、ToFカメラと呼ばれるセンサーが搭載。ToFカメラには、被写体とカメラの距離を測定してくれる機能がついています。ToFカメラの効果によって、被写体と背景の境目がはっきりするため、よりくっきりとした美しい映像が撮れるでしょう。
8K対応のデメリット
超高速・超低遅延が可能な5Gの発達によって、8K映像をスマートフォンで気軽に撮影・再生が出来るようになりました。しかし膨大なデータ容量を片手に収まる端末で取り扱うには、デメリットがあります。8Kのデメリットを抑えて、自分に8K機能が必要かどうかチェックしてみましょう。
手ブレ機能がない
「AQUOS R 5G」「Galaxy S20 5G」ともに、4Kでの撮影には手ブレ補正がありますが、8K撮影時には手ブレ補正がオフとなっています。そのため手持ちで動画を撮るときに、映像がブレる可能性も。せっかくプロが撮った映画ような高画質を再現できても、動画がガタガタ揺れてしまうのはもったいないでしょう。
手ブレを抑えるためには、ジンバルを購入するのがおすすめ。ジンバルをスマートフォンに装着すると縦・横・斜めのあらゆる揺れを抑えて、なめらかな動画が撮影できます。
動画の容量が大きいためスマートフォンの容量を圧迫する
Samsungによれば、4Kで撮影した1分の動画容量は約350MB、一方8Kで撮影した場合には1分間で600MBの容量が必要と発表しています。8K動画を何本も保存するとなれば、スマートフォンの容量を圧迫するのは確実でしょう。
またGalaxy S20 5Gでは8K撮影は5分までと設定されており、長時間の撮影には対応していません。今後のスマートフォンの性能が向上することで、長時間の撮影が可能になることを期待したいところです。
撮影や再生時の消費電力が増える
スマートフォンで8K映像を撮影したり視聴するには、消費電力が増え、充電の減りが速くなることが予想されます。スマートフォンでYouTubeなど動画を見ていると、いつもより端末が熱く、充電の減りが速いと感じた方は多いでしょう。
5G通信では、8K映像のような大容量データを数秒で読み込めてしまうほど、通信速度が向上しましたが、その分消費電力も増えています。
端末によっては冷却装置がついていたり、省電力なディスプレイを採用している為、スマートフォンの購入を検討するときには、充電が何時間持つのかを確認しましょう。
5Gスマホで8K対応のものをおすすめする人
8K対応のスマートフォンが登場したものの、ユーザーによっては8Kが必要と感じる人もいれば、不要と感じる人もいるかもしれません。8K対応スマホがオススメなのは、スマホでカメラを使う機会が多い方や、動画にクオリティを求めたい方でしょう。
例えばスマートフォンで撮った動画をSNSにアップしている方や、一眼レフで動画を撮影している方のサブ機になるはずです。これまでの2Kや4Kの映像では満足できなかったという動画にこだわりのある方向けといえるでしょう。
反対にスマートフォンの動画機能にこだわりはなく、2Kや4Kの動画で十分と考えている方には、8K対応のスマートフォンは不要でしょう。8K動画を再生できる端末もまだ少なく、あったとしても高額ですから、8K映像がさらに普及してからでも購入は遅くないはずです。
まとめ
5Gの登場と共に8K対応のスマートフォンも増えてきました。しかし、5Gの提供エリアがまだ限定的なことを考えると、5G対応に加え、他の性能を比較して端末を選んでも良いでしょう。
動画撮影にこだわりがあるのか、オンラインゲームをスムーズできるような処理速度にこだわりをもつのかなど、自分のこだわりからスマートフォンを選ぶと、より便利に使うことできるはず。是非今後の参考にしてみてください!