SNS社会の今、5G実現化で、どう進化していくのか

スマートフォンとLTEの普及により、いわゆる『ガラケー』の時代よりも各段にSNSの利活用が広がりました。また、SNSの利用は日常生活のみにとどまらず、マーケティングや広告などにおいても欠かせない活用材料となってきています。

そんな中、先日ソフトバンクが5Gスマホ並びに5Gサービスの商用化を3月末に予定していると発表したことで、いよいよ日本でも待ちに待った5G通信が始まると期待が膨らんでいるところです。

SNS社会となった今、5Gサービスが始まることでSNSはどのように変化し、進化していくのでしょうか。

そもそも5G導入の背景は?

5Gとは、スマホなどに用いられる最新の通信規格で、高速で大容量の通信が可能であるなどの特徴があるとアナウンスされているものですが、そもそも4Gでも通信速度は50Mbpsから1Gbpsにまで達していましたのである程度はストレスなくSNSの動画や画像を視聴することは可能でした。

しかし、最近では4Kや8Kなどの超大容量の動画データなども扱われるようになったため、4Gを超える通信速度を誇る通信システムが必要となってきたのです。

要するに、動画や画像などの様々なデータが大容量になるのに合わせて、通信システムも進化していく必要があり、そこで生まれたのが5Gということになります。

5GでSNSはどう変わるのか

実に5Gの通信速度といえば4Gと比べて最高100倍であるといい、SNSの用途やSNSのあり方を大きく変える可能性もあります。ここからは、5G通信でSNSはどのように現在と比べてどのように変化するのかというところについて見ていきましょう。

5Gで動画の視聴がスムーズに

5G通信を利用することで、SNSではより高解像度な動画の視聴をスムーズに行うことができるようになります。

特にYouTubeは2018年時点で国内の月間アクティブユーザーが6200万人に上るなどの人気を誇っています。PCはもちろん、スマホやタブレット、ゲーム機などで気軽にアップロードされた動画を視聴できるほか、テレビでYouTubeを視聴できるようにするデバイスや、最初からYouTube視聴機能が搭載されたテレビが発売されているなど、人々にとって非常に身近なSNSサービスです。

このように、SNS上にアップされた動画もテレビなどの大画面で視聴するユーザーが増えてきたことから、おのずとアップされる動画自体も高画質化してきているのが事実でしょう。しかし現行の4Gでは、HD画質の動画であればスムーズに視聴することができますが、4Kなどのデータが大容量の動画をスムーズに視聴することはできません。

それも5Gであればどんなに長い動画でも高画質な動画でも一瞬でストリーミング再生を行うことができるようになり、ストレスなくSNSを楽しむことが可能になります。また、動画視聴の際の使用電池量や通信コストも緩和されるため、通信制限の制約やバッテリーの消耗などを過度に心配する必要がなくなるかもしれません。

5Gで動画自体のクオリティもアップ

このように、高解像度の動画もスムーズに視聴することができるようになれば、動画自体のクオリティもますます上がっていくことが予想されます。

現に、スマホをテレビとつないでSNSの動画を見る人が増えてきていたり、テレビ自体に最初からその機能が搭載されるようになってきていたりすることから、テレビの画質に合わせてSNSにアップされる動画自体が高解像度になっていくことは十分に考えられます。

また、今までは60FPSだったフレーム数も更に細かくなることが予想されており、想像を絶するほどなめらかな動画制作が可能になることも期待できるとされています。

それだけでなく、インスタライブなどのように視聴者が動画にたいしてアクションを行うことができるようなSNSサービスにおいても、今までのような遅延が解消され、よりインタラクティブなSNS活動ができるようになるでしょう。

softbankは5Gサービスにも動画SNS使い放題を盛り込んだ

更に今後のSNSの進化の方向性を示唆するサービスとしてあげられるのがソフトバンクの『ウルトラギガモンスター+』の『動画SNS放題』です。これは5Gスマホにも対象のサービスになり、特定の動画配信サービスやSNSでデータ容量の消費をカウントしないサービスになります。同サービスの動画SNS放題の対象はYouTube、AbemaTV、TVer、GYAO!、クラシル、Hulu、LINE、スタディサプリ、Instagram、Facebook、Twitter、TikTok、Amazonprimevideoです。

これにより、今後ますますSNSの需要が高くなることはもとより、5G通信が商用化されることによって動画の需要が更に高くなるであろうということが予想できます。

5Gで動画に特化したSNSが新たに登場する可能性も

このように、TikTokやインスタライブ、YouTubeなどのように、SNSへ投稿されるものが文字のみ、もしくは文字+画像などであったのが、動画の投稿へと変化してきています。

現在、SNSを利用するシーンとしては、人を待っている時間、電車に乗っている時間、寝る前など、比較的『休憩』や『暇つぶし』などが殆どであるという方が多いと思いますが、今後5G通信が一般化すれば、Wi-Fi環境のない場所でもSNSを利用した動画視聴が一般的に行われるようになることが期待できるわけです。

今でさえ少しずつSNSの市場が動画に移行してきているため、今後はより動画配信に特化したSNSが登場する可能性も十分に考えられます。更に、5Gによってリアルタイムでのやりとりもスムーズに行えるようになると、一方的に投稿するだけでなくSNSを通じたやり取りなど、新たなコミュニケーション手法が確率されることも予想できるでしょう。

まとめ

実は我々も気が付いていないうちに、SNSは5G時代にむけて着実に進歩しているようでした。5G通信によって動画のストリーミング再生やアップロードもスムーズに行うことができるようになり、リアルタイムでのインタラクティブなやり取りも可能になれば、SNS間でのコミュニケーションにも新たな広がりが生まれることでしょう。

また、動画に特化したSNSといえばTikTokやYouTubeなどがあげられますが、これらよりもさらにユーザー同士のコミュニケーション活動の幅が広がりそうな動画SNSも登場するかもしれません。

いずれにせよ、5G通信は今後のSNSの方向性を『動画』という方向にシフトチェンジさせたことは間違いないといえるのではないでしょうか。

いよいよ日本でも3月末から5Gスマホが発売されるなど、徐々に5G通信を体験できる日が近づいてきています。今後5Gスマホが一般化し、5G通信のエリアも拡大されれば、それに伴ってSNSの市場もますます拡大していくことでしょう。