5Gエリア展開計画、4Gとの置き換えで一気にカバーも可能?

2020年3月末に開始された5Gサービスですが、未だ、5Gを日常的に利用できるというレベルではなく、いわば『Wi-Fiスポット』のような感覚で利用しなければならないという難点があります。

5Gスマホを購入しても、5Gのエリアが狭く、なかなか5Gの高速通信を利用できる機会がない為に、5Gスマホの購入をためらっているという方もいらっしゃるでしょう。

しかし、5Gのエリア展開計画において4Gの周波数を転用することで、5Gのエリアを一気に広範囲にカバーでき、2023年には年度末の整備計画を当初の3倍となる21万局以上に引き上げられるとされているのをご存知でしたか?

4Gで利用中の周波数を5Gに転用

総務省は2020年4月1日に、同省の情報通信審議会から第4世代移動通信システム(4G)で使われている周波数帯を5Gでも使うことを認める答申を受けたと発表しました。これがいわゆる、4Gで利用中の周波数を5Gに転用し、5Gの利用エリア整備の加速を後押しするもので、秋ごろから転用を開始していくこととなります。

例えば、現在4Gで用いている800MHz帯のプラチナバンドを5Gに転用すれば、5Gエリアを一気に広げられます。また、4Gサービスを維持しながら、同じ周波数で5Gサービスを同時展開できる『DSS(ダイナミック・スペクトラム・シェアリング)』という技術もあり、これらによって、5Gエリアは意外にもすぐに全国展開できるのです。

現状5Gのエリア展開については各キャリア思わしくなく、特に、ドコモでは新型コロナウイルスの影響で基地局設置に遅れが出ていると発表していました。

5Gのエリア拡大はコロナの影響を受けるのか

この、5Gへの転用については総務省は、費用の15%分を法人税から控除する減税を導入し、秋ごろから4Gの周波数帯を5Gに転用する省令改正を行うとしています。

すでに設置済みの4Gの基地局を利用することになりますので、今後多くの場所で同時多接続が可能であり、かつ高速通信ができる5G通信を利用することができるようになるでしょう。

後の5Gエリア展開は如何に?2030年には完全にカバーする?

5Gへの周波数転用に対する各キャリアの考え

ただし、4Gの基地局を利用するということは、ユーザーが期待するほどの『5Gの高速通信』が実現できず、4Gと同等程度の速度である可能性もあるため、総務省は各携帯キャリアに対し、利用者に適切な周知をするよう要請しています。

5Gへ4Gの周波数を転用することに対しての各キャリアの考えは下記にまとめました。

【NTTドコモ】

・全ての4Gバンドの5G化を希望(4Gバンドとは、4Gで利用している周波数帯のことです)

【ソフトバンク】

・全てのバンドの5G化を希望
・ローバンドで5Gを導入する欧米や中国に対し、5Gの面的展開で遅れをとることを強調
・4Gバンドの5G化により、5Gの信頼性(稼働率)の向上、超低遅延の実現、Sub-6、ミリ波5Gのカバレッジの拡張等が期待される

【KDDI】

・全てのバンドの5G化を希望
・SAの5G基地局を展開するまでに、4Gバンドの5G化の制度整備が行われることを希望
・4Gバンドの5G化により、超低遅延の実現、Sub-6、ミリ波5Gのカバレッジの拡張等が期待される

【UQ/WCP】

・2.5GHz帯の5G化を希望
・WiMAX、AXGPともに、5Gに準じる規格の標準化が完了(WiMAX R3.0、XGP Ver4.0)

3年後には現行の4Gほどのエリア展開率が実現

ドコモ、ソフトバンク、KDDIの携帯大手3キャリアについては、3キャリアすべてがすべての周波数帯の5G化を希望しています。まずは、5Gにすこしでも近づくために、『4Gの進化版』から少しずつ『本物の5G』に移行していきたい考えでしょう。

特に、KDDIでは、段階的に5G基地局を増やしていく方針で、4Gの周波数の一部を5Gに転用しながら、2021年度末には約5万局のエリア展開を、2023年度には、現在の4Gと遜色のないネットワークにしていく方針です。

要は、徐々に2021年頃から日常的に5Gが利用できるようになると考えていただいてよいでしょう。その後、2023年度までには5Gが全国的に利用できるようになるということになります。

しかし、注意しておきたいのが、周波数的には4Gと同様の周波数を利用することになりますので、『4Gよりも少し早い程度の5G』である可能性が非常に高いという点です。

4Gバンドの5G化への進め方

では、4Gの周波数帯を5Gに転用するとは、実際どのように作業が進められていくのでしょうか。その仕組みについて解説していきたいと思います。

現状、総務省から公式で発表されている資料では、『進行案』しかありませんでしたが、

【3GPP Release16の策定後(※)、SA構成の5Gにより、広域をカバーする高信頼・超低遅延通信を実現するには、4Gバンドの5G化が有効であることから、全ての4Gバンド(2.5GHz帯を含む)の5G化について、新世代モバイル通信システム委員会において技術的条件をまとめ、制度整備を行うこととする。】

【なお、技術的条件の策定にあたって、アクティブアンテナの規定を設けるのは、他システムとの共用検討が
完了している2.5GHz帯及び3.4/3.5GHz帯のみとし、2GHz帯以下にアクティブアンテナを適用する場合の共用検討については、携帯事業者からアクティブアンテナの導入についての要望があり次第、実施することとする。】
引用:https://www.soumu.go.jp/main_content/000653979.pdf

とされています。

つまり、

1 .4Gの周波数帯を5Gに転用するには、技術的条件をまとめ、制度の整備が行われた後に、実際の整備が行われていく

2.条件や制度が整備されたら、2.5GHz帯、3.4、3.5GHz帯のみ、転用ができるようになる

ということです。条件が整備されるのが、今夏ごろであるとされていることから、秋から実際に転用が始まるということでしょう。

まとめ

4Gの周波数帯を利用するということで、現状の4Gより少し早くなる程度の5Gとなるかもしれませんが、コロナ禍で、ネットを見る機会が増えたという方や、動画を見る機会が増えたという方にとっては、すこしでもネットの通信速度が速くなれば、毎日ストレスなくネットライフを楽しむことができるようになるでしょう。

また、秋にはiPhoneの新作の発売も控えており、5Gにも対応しているのではないかと予想されています。

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2021年から2023年ごろには、4Gから転用した5Gが全国に張り巡らされる予定ですので、今後の5Gのエリア展開に少しずつ光が見えてきたというところでしょう。

5Gスマホが気になるという方はぜひ、購入してみてはいかがでしょうか。